東京都荒川区町屋 土日曜のみ開館
開館時間:(3月~10月)12:00~18:00 (11月~2月)11:00~17:00

ぬりえ美術館

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きいち千夜一夜No.28 

2021年も引き続き「きいち千夜一夜」と題しまして、きいちについてご紹介をしてまいります。

マスコミ嫌いを自認する喜一に社交性と、逆にマスコミを利用するだけの器量があればぬりえ作家からアーティストへ、容易な転身の方法はいくらでもあったのかもしれない。


長谷川義太郎という審美眼に出会わなければ、きいちの存在は、あるいはそのまま過去のものとして葬り去られてしまっていたかもしれない。これについて、長谷川はこう語る。


”文化には表と裏があり、僕等はその両方に影響を受けて育ってきたわけです。たとえば文部省推薦の映画や本が表文化とすれば、きいちのぬりえは裏の部分であるのかもしれないけど、それを無価値なものとして放ってしまう世の中というのは変です。僕が広告制作を離れ、雑貨屋を始めたのも、そういう気持ちが強かったからだと思う。なくなっていくもの、捨てられていくものに正当な評価を与えたいという気持ち。喜一さんを応援しようと思ったのも、最初はそんな思いからです”


交際下手の喜一が唯一長谷川との交流を大切にしてきたのも、こうした思いを知ってのことだろう。現在、文化屋雑貨店には「きいちのぬりえ」時代の絵の入ったTシャツや食器、カバンや時計、文房具などが並べられているが、どれも喜一の持ち味に長谷川のアーティストとしてのテイストが加えられ、合同作品としておもしろいものに仕上がっている。喜一の本質を理解する長谷川だけができるアレンジといえるだろう。

「第二のきいちブームといわれてさわがれて、でも、私としては次なる目標がほしいと思っていた時に、ヒントを与えてくれたのも、長谷川さんでした。私を表舞台に引っ張り出してくれた以上、私のほうも自分から自信を持って表にだせる作品を描いていくいかなくてはならない。それで、少女の姿を絹絵に描く童女百態シリーズに取りくもうと決めたんです」


☆参考図書「わたしのきいち」小学館

今月のエントランス

jp00951Bx-640.jpg「トコ子ちゃんのかもめのすいへいさん」
年代:昭和30年代
作者:きいち

松島トモ子さんはバレエを習っていましたが、映画にスカウトされデビュー。映画ばかりでなく歌も歌って、少女雑誌の表紙を飾り、今でいうアイドルでした。大きな目にパーマのヘアスタイルがとっても可愛いですね。


ぬりえ美術館展示情報
3月~5月までの春の企画展として、きいちの肉筆である童女画の絹本を展示しています。
日本画には紙に描く紙本と絹地に描く絹本の二種類があります。
きいちは美人画を学びましたが、基本的にそれらの絵は絹本で描いています。
今回展示の「弥生」と「エンジェル」の2作品だけは紙本となっています。


展示室のご案内
★春の企画展「春はあけぼの」を展示しています。蔦谷喜一が晩年に描いた童女画の絹本を展示しています。

★館内のぬりえコーナーは、ころな感染防止のためにしばらくお休みをしています。
ご了承の程お願いいたします。

Posted: Nurie : 21年05月03日 |

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