東京都荒川区町屋 土日曜のみ開館
開館時間:(3月~10月)12:00~18:00 (11月~2月)11:00~17:00

ぬりえ美術館

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美術館便り (3月~5月合併号)

平成29年春の企画展は、「きいちの春夏秋冬」~春夏秋冬のきいちの少女の世界展~と題しまして、春・夏・秋・冬の可愛い少女たちのぬりえを展示いたします。
最近の日本の気候は温暖化のせいでしょうか、四季がなくなっていませんか。しかし昭和20~30年代は、はっきりとした四季がありそれぞれの季節を楽しめました。その四季にあわせてぬりえの世界で、きいちは毎月新作を描いて販売していました。今回の企画展ではそれぞれの季節の可愛い少女たちをご紹介していきます。



Spring has come! 
春のイメージといえば、まず花。チューリップ、櫻、菜の花、桃等など。
種から植えて、花の咲くのを待ちます。春の小川にはさらさらと川が流れ、岸には青草や花がさいて、魚はスイスイ泳いでいます。魚釣りをしたり、少し暖かくなれば小川に入ってみたくもなります。花が咲く花壇や野原には蝶々が飛んでいます。蝶々を捕まえたり、クローバの花を編んでみたり、縄跳にして飛んだりできます。学校の遠足も花を楽しみに出掛けるでしょう。桜の時期には、人々がお弁当をもって桜の下でお花見。春の楽しみは何と多いことでしょう。
      


夏の楽しみはまず七夕さま。笹に五色の短冊を飾り、願い事を書きます。賑やかな飾りで街も華やかになります。そして子どもたちにとって嬉しいのは夏休みが始まることですね。宿題のことは忘れて様々な遊びにチャレンジです。山に行ったり、海にいったり、田舎のおじいちゃん、お婆ちゃんお家にいったり。夏休みが終わると少し大きく成長したような感じがしたものです。
夏の美味しい食べ物も忘れられませんね。最近はかき氷ブームですが、クーラーのない時代、かき氷はスーっと汗をひかせてくれる冷菓でした。
      



秋はお月見。澄んだ青空が高くなり、紅葉などが美しくなります。良い季節になりますので、結婚シーズンでもあります。最近はジューンブライドと言って6月の結婚も多くなりましたが、昭和の時代は秋が一番いいシーズンでした。花嫁さんは着物の時代でしたが、きいちは洋装の花嫁さんも沢山描いています。少女の憧れをいち早く受け取って描いていたのでしょう。
      



冬は子どもにとって寒いですけれど、楽しみが一杯な季節でした。クリスマスやお正月の大きなイベントがありますから、毎日がワクワクです。お正月に備えて、もちつきの杵の音が近所から聞こえてきます。雪がふれば、雪だるまをつくり、雪合戦をしたりスキーをします。お正月が終わると、節分の豆まき。冬の暖房はコタツに火鉢。暖かいコタツに入って、お汁粉やお団子を食べたり、みかんを食べて、寒い季節も子どもたちにとって退屈をするひまがありませんでした。
      

 
季節感がだんだん失われている現代ですが、昭和の春夏秋冬を眺めてみると何故か心が落ち着くような気がしませんか。毎日の生活を子どもたちはとても生き生きと楽しんでいるように見えます。季節感溢れた昭和の生活を、一枚一枚きいちは描き子どもたちにプレゼントしていたのではないでしょうか。

 
毎月100万袋のぬりえが売られていた時代、ピーク時には180万とも220万袋とも言われています。毎月100万人もの少女たちが自分のお小遣いを握り締めて、駄菓子屋さんや文房具屋さんに行き、今日はどのぬりえの袋を買おうかと悩んで選び、毎月、毎月一年中きいちのぬりえを楽しんでいたことでしょう。


今回は春夏秋冬を一同に展示してみましたが、これらの作品の中に、皆様の思い出にある季節やぬりえがあると嬉しく思います。(館)

Posted: Nurie : 17年03月05日 | 美術館だより

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