東京都荒川区町屋 土日祝日のみ開館
開館時間:(3月~10月)12:00~18:00 (11月~2月)11:00~17:00

ぬりえ美術館

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1月の美術館便り

今年も皆さまにとって佳き一年でありますように、お祈りしています。


新しいタイプのぬりえが人気となっているのをご存知ですか。これは日本だけでなく、世界的な流行のようです。その流れが日本にも伝わってきているのです。
日本では、ぬりえは子どものするものとして、ずっと存在していますので目新しいものではありませんが、あくまで子どもがするものという位置づけでした。お子さんたちがテレビのアニメのぬりえをされているのを目にされていることと思います。小さいお子さんはアンパンマンのぬりえが大好きですし、男の子はムシキング、女の子はプリキュアなど様々なぬりえ本が売られています。


ぬりえ美術館は2002年に開館したのですが、その頃は大人の人がぬりえをするという考えすらありませんでした。ところが2006年に、「大人のぬりえ」ブームが巻き起こりました。ぬりえをすると高齢者の脳を刺激して、脳の活性化に良いということが言われ、ぬりえブーム、それも大人がぬりえをするということが起こりました。多くの出版社が大人、とくに高齢者向けに様々なぬりえ本を出版しました。残念ながらブームというものはあっという間に去ってしまい、本屋さんの店頭からぬりえ本が消えてしまいました。
このブームが消えてしまった原因は、どういうぬりえ本が高齢者にとって良いのかという考えよりも、やはり出版不況の中で、ブームにのって簡単に作れるぬりえ本を出版すれば儲かるだろうという考えが先にたって、高齢者には人気とならず消えてしまったものと思います。

ぬりえであれば、何でも良いというものではなく、やってみたい、ぬりえしたい、という気持ちを刺激するものでなければ、人気となっていくものではないということを証明したともいえます。


幸いなことに、脳の活性化に良いという考え方だけは浸透して、多くの高齢者施設ではぬりえが行われて普及しています。施設で働いている方からは、きいちさんのぬりえが一番人気があるというお言葉を沢山いただいています。
 ぬりえをするという行為が脳にとっていいのですから、どのぬりえでも良いようなものですが、塗ってみたいという気持ちが加われば、さらに脳にとって良いのではないでしょうか。そういう意味では、2006年に発売された大人のぬりえ本は、線が細かすぎて、見ただけで難しそうと思わせるぬりえ本が多かったので、あまり普及しなかったのだと思います。


それから約10年、新しいぬりえの動きが始まっているようです。2006年の大人のぬりえブームは、日本から起こったものですが、今回のぬりえの傾向は海外からやってきました。
2002年にぬりえ美術館を開館して以来いろいろな国に行ってぬりえを調査していますが、2006年の大人のぬりえのブーム以降、外国では大人の人がぬりえをしているかも調査項目として調べていましたが、ほとんどの国でぬりえはあくまで子どものものでした。一部フィンランドとスペインで大人の人向けのぬりえ本や大人の人たちがしているということがありましたが、大人はしないというのが多くの意見でした。


今回の新しいぬりえの傾向は、フランスのぬりえ本の「ひみつの花園」からでした。フランス語でぬりえのことを“コロリアージュ“といいますが、フランス発の塗り絵コロリアージュといううたい文句も若い女性たちにアピールしたと思いますが、テキスタイルのような美しい細密画の花園の絵のデザイン性が高く、見ているだけでもうっとりとしてしまう素晴らしさがあります。
コロリアージュのテーマには、花々、木の実、野ネズミや野うさぎ、小鳥、リス、四季折々の森、花や木の実、果物、宝石、雪の結晶、「眠れる森の美女」「ヘンゼルとグレーテル」等、お馴染みのおとぎ話の場面など、その他にもきのこ、鳥、ほ乳類、は虫類、軟体動物、太古の生物たち等々、
様々なテーマの緻密画が描かれています。


ブームを牽引しているのは2013年にジョハンナ・バスフォードさんが出版した上述の『ひみつの花園』で、ヨーロッパをはじめ世界各国で大ヒットしたそうです。ブラジルでは色鉛筆が売り切れる程の社会現象にまでなったというこの大人の塗り絵は、その繊細な花々の細密画のデザイン性によるのではないでしょうか。
2006年はいわゆる高齢者向けでしたが、このコロリアージュブームが日本の若い女性たちに人気となっています。従来ぬりえは色えんぴつを使うことが多かったのですが、コロリアージュでは、
クレヨン、蛍光ペンなど様々な画材を使ってすることも新しい印象を与えています。


2016年は、このコロリアージュブームがどこまで広がっていくでしょうか。大人の女性がコロリアージュを塗ることにより、ストレスを解消し、リラックスをして楽しい自分の時間を過ごしてくださるといいなと思います。


これからもコロリアージュブームに注目をしていきたいと思います。(館)

Posted: Nurie : 16年01月04日 | 美術館だより|

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