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3月~5月合併号美術館便り(1)

ぬりえ美術館10周年記念企画
「きいちのぬりえ・きせかえ原画展~鮮やかな色が、今よみがえる~」
24年3月3日(土)~5月27日(日)
ぬりえ美術館では、今年8月に10周年を迎えます。これも偏に皆様方のご支援の賜物と心より御礼申し上げます。これからも皆様方が楽しんでいただける企画をご紹介していきたいとおもっております。

今回10周年を記念して、当館初のぬりえときせかえの原画をご紹介いたします。
きいちのぬりえは昭和22年の開始当時は、原画を描いてそれを印刷していたようですが、
その後の印刷技術により、亜鉛版(ジンク版)に直接描くようになりましたので、ぬりえには原画がなくなりました。今回展示いたしますのは、そのぬりえが入っていた袋の表紙絵になります。又きいちのきせかえは、昭和23年から描かれています。今回展示いたします原画は、昭和30年代のものになりますが、今みてもきいちの特徴のひとつである原色が大変鮮やかで、生き生きとした躍動感が伝わる作品ばかりでございます。

1.きいちのぬりえ原画

きいちは毎月2つの版元(今でいうメーカー)に各4袋、合計8袋のぬりえを描いていました。
一袋に10枚、12枚などありますが、紙の取り都合が一番よかったことから8枚入りが長い間続いたようです。そして昭和30年代後半には、5枚入りになっていきます。 袋の表紙絵を、きいちは一枚、一枚丁寧に色を塗って完成させています。
「喜一さんの絵はていねいですよね。他の絵描きさんは、絵の具をかいあわせて、ちょっとぬって、「ここがピンク」とか指定してくるだけなの。喜一さんは全部塗って、仕上げてくれるのよ。細かい所までね。」と版元の女将さんが書いています。(草思社「きいちのぬりえ」)

この絵を見たとき、私の好きな速水御舟の「炎舞」を彷彿させる絵だと思いました。日本画の山川秀峰に影響されて日本画を勉強しはじめたきいちにとって、大正14年(1925)に描かれた速水御舟の「炎舞」を見ていても不思議ではなく、ぬりえと炎舞がコラボレーションしている表紙絵と言っていいかもしれません。

2.子どもの遊びがテーマの表紙絵
      
ボウリング、キックスクーターなど当時の流行の遊びから近所の公園にあるブランコまで、その時の話題に合わせて、自在に絵を描いています。
ボウリングは、古くは1861年(文久元年) 長崎の大浦居留地に初めてのボウリング場がオープンしたと書かれています。その後昭和27年(1952)、日本で始めての本格民間ボウリング場 「東京ボウリングセンター」が、東京・青山に開業し、昭和30年(1955)、現在の全日本ボウリング協会の前身「日本ボウリング連盟」設立されたという歴史がありますので、ボウリング場の開設を見て、子ども向けのボウリングのオモチャが開発されたと思われます。輪投げと一緒に遊ぶ様子が描かれています。
キックスクーターは、私は見た覚えがないのですが、一緒に描かれているぬいぐるみの形状は昭和30年代のぬいぐるみ、そのものですので、やはり当時に流行していたもとの思われます。私はスクーターよりも、ホッピングという遊び道具を買ってもらい、ジーンズのつなぎを着ながら、跳ねていたのを思い出します。

投稿者:Nurie |投稿日:12/03/17 (土)

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