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ハウス・オブ・シセイドウの展覧会見学

久々に銀座のギャラリーに立ち寄って見ました。
ちょうど銀座では、「プロムナード銀座2007」と称して、10月21日(日)から11月4日(日)まで、銀座の各通りが競って様々な催しを開催しています。
銀座の中で、ゆっくり銀ブラをできるところは、並木通りではないでしょうか。歩道が綺麗に整備されているので、車を心配せずにウィンドーショッピングをしながら、歩くことができ、銀座通りほど交通も激しくなく、並木の緑もあり、大変落ち着いた雰囲気がある通りと思っています。

並木通りの中ほどに、資生堂の「ハウス・オブ・シセイドウ」というギャラリーがあります。大きなショーウィンドーの両サイドに、ガラスの大きな自動ドアがあり、ここが入り口です。
企画展の入り口左手には、映画館の切符を切るような受付があり、右の通路の壁面が銀座をテーマにした映画の写真が飾られています。奥には、ミニにシアターが設けられていました。
今回の「スクリーンのなかの銀座」では、映画に描かれた銀座の魅力を探りながら、並木座を取り上げ、並木座のパンフレットや大女優の田中絹代さんにまつわる品々等を展示していました。


今回の展覧会で、銀座に集まる映画館、ギャラリー、メゾンが集まっている、最先端の流行や文化を発信する「劇場都市」と銀座を捉えています。
銀座は、日本を代表する都市であるわけですが、それは今に始まったことではなく、展示されていました映画の写真によれば、戦前から銀座は特別の都市であったことが分かります。

1936年(昭和11年)「銀座ラプソディー」藤山一郎
1938年(昭和13年)「愛より愛へ」高峰三枝子、高杉早苗
1930年代は、モダンガール、モダンボーイが生まれて銀座を闊歩した時代であり、その中の一人にぬりえ作家のきいちがいた訳ですから、当時から文化の先端であった訳です。
その後は、
1949年(昭和24年)「銀座カンカン娘」高峰秀子、笠置シズ子
1951年(昭和26年)「銀座化粧」田中絹代、香川京子
1953年(昭和28年)「君の名は」佐田啓二、岸恵子
数奇屋橋の後ろに、日劇の建物が写っていました。一世を風靡した映画ですが、二人が出会った場所は銀座だったのですね。これが、銀座でなく、下町であったら、やはりドラマにはならなかったのでしょう。

1953年(昭和28年)「東京物語」原節子、笠智衆、 東山千恵子、
1955年(昭和30年)「あした来る人」月岡夢路、三橋達也
1955年(昭和30年)「銀座ニ十四帖」河津清三郎、月岡夢路
1957年(昭和32年)「夜の蝶」京マチ子、山本富士子
1958年(昭和33年)「親不孝通り」川口浩、野添ひとみ
1960年(昭和35年)「女が階段を上がるとき」高峰秀子、森雅之
1960年(昭和35年)「秋立ちぬ」乙羽信子、大沢健三郎
1962年(昭和37年)「銀座の恋の物語」石原裕次郎、浅丘ルリ子

銀座をテーマに名作が幾つも作られており、上映当時に一時代を築いたり、時代を象徴した映画が作られていました。
これらの映画が上映されたとき、私自身は子どもでしたので、後になって「東京物語」、「女が階段を上がるのとき」などを見ました。「東京物語」は、昭和の時間の流れがゆっくりであり、せりふの中に相手を思いやるこころを感じましたが、すでにあの映画の頃から日本の社会は変わり始めたのだろうか、その兆しがあったのだと感じました。
今でも、昭和30年代に想いを馳せる人々が多いという表れでしょう。11月から「AIWAYS 3丁目の夕日」の続編が放映されるそうです。
映画を代表するのはたった一枚の白黒の写真でしたが、懐かしい世界に引き込まれてしまいました。

2階に上がる階段は、クラシックな装飾がデザインされた手すりが、落ち着いた印象を与えます。2階のフロアでは、並木座のパンフレットの展示とパンフレット原稿や俳優さんのサイン色紙などの展示、ならびに、当時の女優をつかって女性美を表現していた花椿誌が展示されていました。
また田中絹代さんの愛蔵の品の、着物、鏡台、アクセサリー、台本等が展示されていました。夏の着物でしたが、田中絹代さんが大変小柄な女性であることが分かりました。「弟」に出演されていた田中絹代さんを思い出しましたが、老いを恐れず、年配になってからも映画に出演された大女優だと思います。

銀座を昔の映画から振り返る今回の展覧会は、自分の知らない時代の輝かしい銀座を知ることができました。
11月25日(日)まで、この展覧会は開催されていますので、銀ブラのついでに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

投稿者:Nurie |投稿日:07/10/31 (水)

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