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1月・2月合併号

今年もぬりえに関します活動ならびに情報を発信してまいりますので、よろしくお願いいたします。1月は体調をくずし、美術館便りをおおくりできなくて失礼いたしました。2月との合併号とさせていただきます。

■日本ブーム
昨年12月の美術館便りでも、日本ブームについてお伝えいたしましたが、今回は東南アジアを中心にした日本ブームについてご紹介いたします。
○ジャカルタ、バンコクのアニメブーム 
お正月にジャカルタ、バンコクに行ってきました。いずれの都市でも、日本のアニメは人気です。中でも「ドラえもん」が大変な人気でした。
バンコクでは、私の知人ご夫妻(50代の奥様、60代のご主人)が、「私はドラえもんが大好き。うちの主人は、のび太君にそっくりなの」とおっしゃられて、私のほうがビックリしました。

のび太君は、まったく日本人の性格であると思うのですが、タイの人ものび太君の中に同じような性格を見いだすとは、それ程日本のアニメがバンコクの人びとの生活の中に入り込んで一般的になっているということではないでしょうか。 バンコクでは、ドラえもんのほかに、「一休さん」が頓知があってお利口なお坊さんということで、一休さんも人気で、子どもたちには、「クレヨンしんちゃん」が人気だそうです。

○アニメに描かれた世界を受け入れている 
アジアだけでなく、世界のアニメの60%は、日本のアニメだそうです。アニメがでているということは、日本で販売されているアニメのぬりえも海外で販売されているわけです。
バンコクでは、ぬりえを出版している会社は300社ほどあるといわれていますが、日系の本屋さんの話では、「売れているのは日本のアニメのぬりえです」と言われていました。ここにも、日本のアニメの人気度合いがわかりますね。
「ドラえもん」や「一休さん」、「クレヨンしんちゃん」などの日本のアニメに描かれた世界を違和感なく受け入れている子どもたちや大人たちが、世界には大勢いるのです。自国とは違うなと思い、驚きながらも、新しいとか、かっこいいとして受け入れているのです。

これは、日本にテレビが入ってきたころの状況と似ているのではないかと、自分の子ども時代を振り返ってみて、そう考えています。
テレビの創世記には、日本の番組が少なかったせいか、アメリカのテレビ番組が数多く上映されていました。そのアメリカのドラマの中には、アメリカの豊かな生活が映し出されていました。
リビング、ソファ、台所、観音開きの大型冷蔵庫、冷蔵庫の中にぎっしりつまった食品など、日本ではみられない光景が映っていました。
アメリカの生活は、なんて素敵なのだろう!と、アメリカに憧れた子どもたちや大人たちが沢山いたと思います。日本は、そんなアメリカに追いつき、追い越そうと頑張ってきたわけです。
あの当時のアメリカの生活にあたる部分が、日本のアニメやマンガに描かれる日本の生活ではないでしょうか。
その結果、日本食や日本の建築やファッションなどが受け入れられ、人気となり普及していくということになります。アニメやマンガのソフトパワーは、これからも日本という国を海外の人びとに理解してもらうために、大きな力となっていくことでしょう。
昨年秋のニューヨークでの日本ブームに続き、今回の東南アジアでの日本ブームで、まだまだ日本の魅力は世界に広がって行くことを感じた次第です。

■文化と教育
○国立博物館見学
ジャカルタとバンコクの両方の国立博物館を見学してきました。ジャカルタでは、日本人の方がボランティアで解説をしてくださっていました。彼女たちは、ジャカルタの博物館は「文化に一番近い博物館」と言っていました。それは、どういうことかといいますと、国立博物館ですが、展示物の仏像などが、展示ケースなどに入れられずに飾られているものがあります。ケースがなければ、なんとなく触りたくなるのが人情ですね。そこに置かれた仏像の胸などは、子どもたちや来館者に触られてピカピカしていました。文化ということの教育がされていないのではないかと感じました。
バンコクの国立博物館は8つのパビリオンがありました。残念ながらすべてを見ることができませんでしたが、国の歴史を大切にし、理解をしてもらいたいということがこちらにも伝わってきました。
○アイルランドの変化
昨年訪れたアイルランドは、昔は移民や出稼ぎをしていた国でした。「タイタニック」の映画のワンシーンに、船の下でダンスをしていた映像があったと思いますが、あのダンスはアイルランドの人びとが踊っていたアイリッシュダンスでした。
その国が、EU に加盟した際にもらった助成金を教育とITにそそぎ、そのお蔭で今ではヨーロッパのシリコンバレーといわれるほどになり、年10%もの成長率を遂げる国に変化していました。
ITという目の付け所も良かったと思いますが、教育に力を注いだことが、この国の発展に大きく貢献したものと思います。
日本でも教育基本法の改正や教育再生会議など教育に関する問題が取りざたされていますが、国の発展のためには、子どもたちの教育が非常に大事であり、その中で文化ということに対しても、教育をしていくことが大変重要だと思います。
その教育の大切さを昨年、今年の出張で強く感じたのでした。(館)

投稿者:Nurie |投稿日:07/01/28 (日)

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