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夏休みも終わって

夏休みも終わり、9月がスタートしました。
このところ、NYの展覧会の準備で大忙しのため、ブログの記事もなかなか書くことができませんでした。夏を振り返って、すこし最近の様子をご報告いたします。
夏といいますと暑さのため、来館者数は春よりずっと少なくなります。今年もその傾向がありますが、様々なメディアに取り上げられていることと、大人のぬりえが話題になっていることから、徐々に来館者数は増加してきています。8月末現在で累計前年比153%、単月の前年比では、8月は186%(よっぽど昨年は暑くて、来館者がすくなかったのかしら?)小学生の来館者数は、380%という実績でした。
皆様、ご来館ありがとうございました。

年齢構成比は、開館以来変わらず、40代~60代が60%、20代~30代が30%、子どもさんは10%です。地元より、遠くからでも来館されるということも、開館以来変わりません。4年前の開館時の新聞記事などを切り抜いてもっていて、やっと来れたという方も数々いらっしゃいます。
東京にあることから、都内版に掲載されることが多いのですが、かつて月に100万部も売れていたぬりえです。全国にはまだまだぬりえ美術館をご存じない方々が沢山いらして、昔のぬりえの存在を探している方がいるかもしてません。これからも、全国のぬりえファンのために、新聞、雑誌の取材には対応をして、ぬりえの認知を高めていきたいと思っています。

さて、今年は、大人のぬりえが流行ということがあるために、ご高齢の方が娘さんと一緒に来館するということが見られたことが従来との違いです。年配者も堂々とぬりえをしても良い、何かすることの一つとして、ぬりえというものができて良かったと思っています。これが今年の一番の収穫ではないかと思います。また来館できなくても、娘さんや息子さんがお母さんのために購入していくということも数多くあります。
年配者の方たちとお話をしていますと、「大人のぬりえ」をしているようですが、最初は長い間絵を描いていないので、どんな色でぬったらいいかわからないようで、見本が欲しいという声を聞きます。きいち世代に遊んだ方々は、充分にぬりえの遊び方を知っていますから、すぐに自由に自分の好きな色で塗りますが、その方々の母親世代は、そう自由には描けないようです。何でも好きにしていいよといわれても、それが難しいということもあるのですね。

子どもたちの世代では、夏休みの美術館見学で、来館されたり、研究項目としてぬりえを選ぶという子どもたちが毎年一人、二人ほどいます。なかなかぬりえの資料がないので、研究課題にすることは大変ですが、これからももっと多くの子どもたちがぬりえに関心をもって、学んでくれると嬉しいと思います。

リアルタイムにきいちで遊んだ方々は、美術館に入ったとたんに、「懐かしい!」という歓声を上げます。しかし20代、30代の方々は、遊んだことがないのにも係わらず、コメントする言葉は「懐かしい」と表現されます。何故懐かしいのかなと考えますと、一つには「三丁目の夕日」などの映画やテレビドラマ、新聞、雑誌などにおいて、昭和30年代の景色を見ているので、そこに通じるものがあり、レトロなものとして、「懐かしい」という表現をするのではないかと思います。またもう一つは、「きいちのぬりえ」はぬったことがないが、自分の子ども時代に流行していたぬりえをしているので、ぬりえの感覚は知って、覚えているわけです。そこに戻って「懐かしい」という声を上げるのではないかと思います。

ぬりえ体験コーナーも大変な人気で最近では、ぬりえの本が塗られて直ぐに1冊が終わってしまうほどに多くの方々に塗っていただいています。現在では、皆様に塗っていただいた本は38冊にもなっています。20代、30代の方々の作品では、ぬりえの下絵にはないものを描きこんだり、「お待ちどうさま~」や「ああ涼しい」などぬりえの少女の言葉のように会話が描いてあったり、少女の背景を描きこんだりしています。これはマンガやアニメを充分に見て育ってきたからではないかと思いますが、とても面白く拝見しています。
夏休みは終わりましたが、秋は美術館めぐりなどにも最適な季節。ぜひ、ぬりえ美術館でぬりえの展示をみて、体験コーナーで1枚でも2枚でも塗って、ぬりえを楽しんでほしいと願っています。

投稿者:Nurie |投稿日:06/09/02 (土)

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