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夏休みで子どもたちが多数来館

夏休みにはいりましたので、子どもたちの来館が増えてきました。お母さんと一緒はもちろんのこと、お父さんやおじいちゃんとくる子どもたちもが多くなりました。おじいちゃんにとっても、お孫さんはとっても可愛いので、夏休みに遊びに来てくれたお孫さんが喜ぶようなことをして上げたいと思っているようです。
子どもたちを見ていますと、ぬりえができるので、展示を見ることよりもずっとぬりえをすることの方を喜んでいます。見るより早く、ぬりえ体験コーナーに座って、好きな絵を選んで塗っていきます。

さて、子どもたちがぬりえをする効用として、色彩感覚、集中力、情緒をやしなうことなどが、日本、ドイツ、フランスからのアンケート調査でも上げられています。(ぬりえ文化より)
そして観察力について言えば、絵を描くとき、対象を観察しないと描けないので、観察をしていくうちに、何かに気づいていきます。それが美しさの発見であったり、様々な色合いの変化であったり、対象物の動きであったりもします。
そのことがわかってくると子どもは一段と観察に熱心になっていきます。観察が熱心になると、より詳しい表現となっていきます。こうなるとリズムが出てきます。
見る(観察)→描く(表現)→知る(認識)の三段階です。
この過程を繰り返すことは、大変重要なことです。実は、大人になって仕事に就いたとき、その仕事に対したとき何が必要な能力かというと、「観察力」なのです。与えられた職務の内容に対して観察する力が必要になってくるのです。
観察力が薄いとその仕事への理解は少なくなり、結局、仕事の成果は芳しくないということになっていきます。
ですから、子ども時代に絵に親しむことが、大人になって仕事で成功するポイントになっているのですから、子どもの絵は大事です。

先日、この観察力に関して、まさにそうなのだということがありました。おじいちゃんの家に遊びにくると必ずぬりえ美術館に遊びに来てくれるAちゃんがいます。いま5歳の幼稚園児です。昨年からぬりえ美術館に遊びにきますが、Aちゃんは現代のぬりえにはそれほど関心を示さなかったようですが、「きいちのぬりえ」を見つけてから夢中になってぬりえをするようになったそうです。おじいちゃんの家に来る度に美術館に来ては、1、2枚のぬりえをしていきます。
ぬりえ美術館には、来館者が塗られた本が、テーブルに置かれて自由に他の方が見れるようになっています。Aちゃんは、他の本をみて、先日あることを発見しました。濃く塗る部分と薄く塗る部分があると素敵に見えるということを見つけたのです。他の方が、そのように塗っていたのでしょう。
そこで、早速そのテクニックを使って、大きなリボンを塗ってみました。今までの自分の絵と少し違って見えます。新しいテクニックを体得したのです。
それを見ていて、私は本当に感動しました。やはりぬりえをしていると、観察力がでてくるということです。
そして、この日、Aちゃんは、私のためにプレゼントを用意していてくれました。プレゼントは絵でした。A4の紙に、お母さん、Aちゃん、妹さん、そして、ぬりえ美術館の館長さんが描かれていました。ちゃんとヘアスタイルは短いヘアに描かれていました。
そのA4の紙は、きれいに折られていて、折られた面にすべて違う模様が描かれていました。素敵なアイデアに、このプレゼントにも感心してしまいました。とても嬉しかったです。

子供が絵を描くことは大事なことですから、絵を嫌いにならないように、大人は励まし、褒めて上げることが大事だと思います。大人でも褒められると悪い気はしません。子どもならなおさらです。きっともっと喜んでやることと思います。
ぬりえには、何も間違いはありません。どんな色でぬったり、はみ出したりしても、だんだん成長して、観察力がついてくると、上達してきます。ですから、自由にのびのびとぬりえをしてもらいたいと願っています。

どうぞ夏の一日、ぬりえ美術館の体験コーナーで観察力と集中力に磨きをかけてみませんか。お待ちしています。(館)

投稿者:Nurie |投稿日:06/07/29 (土)

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コメント

昨日初めて訪問しました。
懐かしいというだけでなく、絵としても眺める価値のある作品にため息が出ます。
これからも末永く子供達のために展示を続けていって下さい。

投稿者 mon_nomi : 2006年07月30日 14:27

実家に帰るたびに来館させていただいている朱音の母です。ずっとパソコンの具合が悪く、最近ようやく直したところ、朱音が「ぬりえ美術館のページが見たい」というので、先ほど開いてみました。
すると、朱音の絵が上達していく様子を詳しく書いてくださっているページが。。。以前「HPに載せました」とは聞いていたものの、あんなに」詳しく載っていたなんて(涙)。学校に行き始め、ぬりえから遠ざかってましたが、先生に褒められたのが嬉しかったようで、なぜか今、横で片付けやら、手伝いやら大忙しで動いています(笑)。
褒める。。。って本当に大事なんですね。
今日は夜、実家に帰ります。休日なら来館できるのに残念。夏休みにはまた行かせていただきます。ありがとうございました。

投稿者 あかねの母 : 2007年06月14日 14:49

朱音ちゃんのママ、コメントありがとうございました。私の方もご連絡が遅くなり、ご免なさい。
学校に行かれてどうしているかなと、ご実家の前を通るたびに思い出していました。元気にお手伝いをしているそうで何よりです。「褒める」ことは子供には、(大人でも)大事。自分が愛されていると感じますし、自信が持て、そうすると人に対して優しくなれます。勉強も一つ自信が付くと、他教科も好きになり、できるようになりますね。夏休みに来館されるのを楽しみしています。

投稿者 ぬりえ大好き : 2007年07月06日 00:24

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