東京都荒川区町屋 土日曜のみ開館
開館時間:(3月~10月)12:00~18:00 (11月~2月)11:00~17:00

ぬりえ美術館

前 2017年7月 | ぬりえ美術館のブログ | 2017年9月 次

2017年8月26日の記事

さとるさんの「かいひろい」

8月に美術館を再開して、さっそくさとるさんが来館してくださいました。
黄色のワンピースに赤いサンダルが夏らしいですね。貝殻にも色をつけてぬりえを楽しんでくださっています。

Posted: Nurie : 17年08月26日 | ぬりえギャラリー

2017年8月 5日の記事

2017年秋の企画展 8/5(土)-10/29(日)

15周年記念企画といたしまして、「きいちのぬりえ・きせかえ原画展」~精緻なきいちの手仕事の世界~を開催いたします。きいちが情熱をかけたぬりえ・きせかえの原画を展示いたします。

開催期間:2017年8月5日(土)~10月29日(日)
11月から、美術館の開館時間が「冬時間」となりまして、11:00~17:00 (入館は16:30まで)となりますので、ご注意ください。

ご来館お待ちしています。

Posted: Nurie : 17年08月05日 | トピックス

2017年8月 4日の記事

美術館便り 8月~10月合併号(2)

2.きせかえの原画
きいちがきせかえについて、小学館「わたしのきいち」にそのいきさつが書かれていますので、ここでご紹介したいと思います。


「きせかえは私自身が復活させたかった。当時、ぬりえと違ってきせかえは下火でしたからね。実際の人形遊びもたのしいけれど、紙の世界にも昔からこんな遊びがあるんだと、子どもたちに知ってほしかった」
きせかえについては、B4程度の大きさのものを石川松声堂と山海堂、それぞれに毎月四枚ずつ納めた。ぬりえはジンク版という金属の板に特殊な墨を使って絵を描くまでがきいちの仕事。描いた部分が腐食するので、それを印刷するのだ。五色刷りの袋の場合は、喜一が紙に五色で描いたものを、職人がそれぞれの色に描き分けてから印刷するが、いずれにしろぬりえはそれほど喜一の手をわずらわせるものではなかった。


しかし、きえかえとなるとそうはいかない。人物や洋服の型をおこして、一つ一つ紙の上に置いては寸法を取っていく非常に手間のかかる作業だ。できるだけ余白を少なくして、さまざまな要素を盛り込むことも大切で、喜一のきせかえにはお洒落な洋服や着物に混じって、ブーケや帽子、ハンドバッグ、人形といった多くの小物が添えられていた。

「私の描くのは女の子だけじゃなかったでしょう。お父さんお母さん、お兄さんやお姉さんといった家族もちゃんといてね。そういうものを描き入れるときには、一応家族構成なども考えながら描いていたの。リカちゃんファミリーならぬ、きいちファミリー。サラリーマン家庭なら、お母さんはこんな感じで、子供にはこんな服を着せるだろうなとか、芸術家の家庭だったらどうだろうなんて、いろいろ想像しながら描くのが楽しいんだ。
それからきせかえを描いておもしろかったのはバッグの色なんですが、オレンジや黄緑などの中間色を使うとあまり売れゆきがよくなくてね。赤や青といったほうがだんぜん受けがいい。“きいち”の絵には、やっぱり原色が似合うってことなんでしょうね」


きせかえもただただ女の子と洋服、着物を描けばいいというものではなく、ちゃんとその少女の家族背景も考えて描いていたという所は、とても興味深い話ですね。


今回展示していますきせかえの原画では、少女、お友達、お姉さん、お父さん、お母さんという家族とお道具というとらえ方で展示をしています。お道具や小物たちでさえも時代の先端を行くものが多く描かれていました。自分の家にはまだ購入されていない白物家電や外国の映画のなかでしか見られないようなものも描かれていたりして、そういう点も少女たちの感性を刺激していたと思います。


   
 ~お誕生会のようなパーティの様子や、レンジや洗濯機、炊飯器など~

色鮮やかなきいちの原画を見ていますと、子どものころにもどって遊んでみたいなという気持になりませんか。原色が子どものころの感性を刺激するのかもしれません。


きいちの精緻な手仕事の世界をどうぞ心ゆくまで味わいください。 (館)

Posted: Nurie : 17年08月04日 | 美術館だより

美術館便り 8月~10月合併号(1)

ぬりえ美術館15周年記念企画
「きいちのぬりえ・きせかえ原画展」~精緻なきいちの手仕事の世界~
平成29年8月5日(土)~10月29日(日)

ぬりえ美術館では、8月で15周年を迎えることが出来ました。 これも偏に皆様方のご支援の賜物と心より御礼申し上げます。これからも皆様方が楽しんでいただける企画をご紹介していきたいと思っております。今後ともご支援を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。


今回15周年を記念して、2回目となりますぬりえときせかえの原画をご紹介いたします。
きいちのぬりえは昭和22年の開始当時は、原画を描いてそれを印刷していたようですが、その後の印刷技術により、亜鉛版(ジンク版)に直接描くようになりましたので、ぬりえ本体には原画がなくなりました。今回原画として展示いたしますのは、ぬりえが入っていた袋の表紙絵になります。又きせかえは、ぬりえから1年遅れの昭和23年から発売を開始しました。
今回展示いたします原画をご覧いただきますと、ぬりえ・きせかえは、子どもたちの駄玩具であり、一袋5円、10円の商品でありますが、きいちが子どものたちのために、精魂こめて美しい世界を描いて喜ばせていたことを感じていただけるのではないかと思います。
どうぞ子ども時代に思いを馳せて原画を楽しんでいただければ幸いです。


1.きいちのぬりえ原画
      

きいちは毎月2つの版元(今でいうメーカー)に各4袋、合計8袋のぬりえを描いていました。一袋に10枚入り、12枚入りなどありますが、紙の取り都合がよかったことから8枚入りが一番長く続いたようです。そして昭和30年代後半には、5枚入りになっていきます。

当初はA4サイズぐらいのものをバラで販売していましたが、昭和23年頃から、B5よりひと回り小さめのサイズにして、袋入りで売り出すことになり、袋の表紙絵を、きいちは一枚、一枚丁寧に色を塗って完成させています。
「喜一さんの絵はていねいですよね。他の絵描きさんは、絵の具をかきあわせて、ちょっと塗って、「ここがピンク」とか指定してくるだけなの。喜一さんは全部塗って、仕上げてくれるのよ。細かい所までね。」と版元の女将さんが書いています。(草思社「きいちのぬりえ」)


ぬりえの入った袋は色鮮やかなカラー印刷であったので、少女たちのコレクションにも耐え得るものとなった。(小学館「わたしのきいち」)と解説されていますが、映画や写真、テレビでも白黒の時代ですから、カラーで印刷されたきいちの描く少女の世界はそれは魅力的なものであったでしょう。

Posted: Nurie : 17年08月04日 | 美術館だより

8月の美術館ニュース(2)

海外ぬりえ研究室 No.67 今月はアメリカのマンダラ編です。

4月のドイツのマンダラに続き、今月はアメリカのマンダラをご紹介いたします。
今回ご紹介するKids'Mandalas「子どもたちのマンダラ」とKids' Seasonal Mandalas「子どもたちの季節のマンダラ」の2冊は、同じ出版社から発行されたもので、いずれもドイツで出版されたマンダラの本をベースにしたものと書かれています。
      

本の最初のぺージには、子どもたちとマンダラというタイトルで説明文があります。
「私たちは子どもたちにとってもストレスを解放する方法が必要であることを忘れがちである。マンダラに色づけすることは子どもたちが芸術に対する愛を促進しながら、リラックスをし集中するのを助ける完璧な方法である。
マンダラは、円の中に同じデザインが繰り返されるものである。のんびり時間を過ごしなら瞑想と治療の手段となる。それらの自由なデザインのアレンジを通して、どんなに手に負えない子どもでさえもおだやかにする効果がある。

マンダラが完成した暁には、終了した作品は更なる影響の道具となる。
マンダラは色ぬりを好きになることと我々の忙しい世界のなかでとても必要な静かな時間とを結びつけるける大変理想的な方法である。」と書かれています。
      


小さい子どもを集中させることはなかなか難しいことですが、マンダラをすることによりリラックスと集中ができ、瞑想の手段ともなりうるものであり、どんな落ち着きのない子どもでも穏やかにすることができる方法であると説明しています。
この瞑想的という考え方が癒しに通じ、欧米にマンダラが流行し、普及していった理由ではないでしょうか。


欧米では1990年代にマンダラが使われるようになりそれから30年近くなりますが、日本では未だに流行していないのが不思議です。
欧米では幼稚園や保育の場でマンダラが使われますが、日本では保育の場にぬりえが全員がするものとして使われていないので、マンダラが普及していかないのかもしれません。
来月の海外ぬりえ研究室もお楽しみに。


今月のエントランス

「おかいもの」
年代:昭和30年代
作者:きいち

はだかんぼのイメージが強いキューピーさんですが、ワンピースを着ておかいものをしています。赤ん坊の愛らしい顔は、そのままにお洒落な装いもよく似合っていますね。


ぬりえ美術館展示情報
●「秋の企画展 きいちのぬりえ・きせかえ原画展 ~精緻なきいちの手仕事の世界~」にて、きいちが情熱をかけた貴重な原画を展示しています。


展示室のご案内
★8~10月まで「秋の企画展 きいちのぬりえ・きせかえ原画展 ~精緻なきいちの手仕事の世界~を開催しています。
★館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 17年08月04日 | 美術館ニュース

8月の美術館ニュー(1)

今年の夏は全国的に猛暑と言われています。どうぞ暑さ対策をなさって夏を乗り切ってください。涼しい場所でぬりえをして、頭の中を空っぽにするとすっきりしますので、暑さ対策の一つに入れてみてはいかがでしょう。
 

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 


タイトル:ぴーちゃおくにはうみのむこう
作  者:きいち
年  代:昭和30年代

  

8月のエントランスは、「きゅーぴーさんのぬりえ」を展示しています。
大きなキューピーさんにはなしかける少女。「ぴーちゃ」とはキューピーさんの名前なのでしょうか、それともキューピーのピーをとった愛称なのでしょうか。
キューピーは今でもその可愛らしさからお人形が販売されており、子どもだけに限らず大人にまでに人気のあるお人形ではないでしょうか。

昭和20年~30年代にかけてもキューピーはとても流行していて、当時はセルロイドという素材のキューピーが出回っていました。今ではセルロイドが燃え易いということで消えてしまい、ソフビのものにかわっていますね。でもセルロイドで遊んだことがある人にとっては、それなりに懐かしい素材であると思います。大事に扱わないと、へこんでしまいやすく、そうなるとへこんだ部分に口をつけて吸って元に戻したりしたことを思い出します。


キューピーの人気が未だに続いているということはキューピーの可愛らしさに普遍性があるということだと思います。赤ん坊のようなムチムチした体型、パッチリとした愛くるしい瞳、見ているだけでこちらの頬が緩んでくるようなところが魅力ですね。


この絵のように大きなキューピーを私も持っていたことがあり、赤ん坊を背中におんぶするようにキューピーをしょって嬉しかったことを思い出します。(館)

Posted: Nurie : 17年08月04日 | 美術館ニュース

2017年8月 2日の記事

「ぬりえ美術館」おかげさまで15周年

2002年8月に開館したぬりえ美術館は、今年で15周年を迎えることが出来ました。
これも偏に皆様方のご支援の賜物と心より御礼申し上げます。

2002年開館当時、展示什器をすべて埋めることができないほどの作品数でした。その後多くの方々にご寄贈いただくとともにコレクションともあいまって、今では年2回の企画展とその間の常設展を安定してご覧頂けるようになりました。

2002年12月「散歩の達人」(交通新聞社刊)記事ぬりえ美術館開館のきっかけは、
①私がぬりえ作家、蔦谷喜一の姪(父の姉が喜一の妻である)であることから身近にぬりえの世界があったこと。
 

②1990年代よりネットの普及により日本のマンガやアニメ、又可愛い文化が世界的に人気を博するようになり、きいちの描く日本のぬりえも日本の文化かもしれないと考えるようになったこと。
 

③昔はただの紙だったものが、時を経て、伝えていきたい価値あるものになってきたこと。
等から開館いたしました。


2002年8月22日「朝日新聞」開館後2006年に高齢者の脳の活性化に良いと大人のぬりえブームがあり、10年後の2016年には若い世代向けに「秘密の花園」という細密画のぬりえが流行し、子どもから大人までぬりえをするような時代になりました。ぬりえも進化しています。


開館時ぬりえを寄贈していただいた方には、「原石がダイヤモンドになった」というお言葉をいただきましたが、これからもきいちのぬりえを伝え、多くの方々に見ていただいて更に輝きをまし、ぬりえ文化に貢献していければと思っております。
 
今後ともご支援、ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。
 

                 ぬりえ美術館 館長 金子マサ

Posted: Nurie : 17年08月02日 | 館長室から

「ぬりえ美術館」おかげさまで15周年

2002年8月に開館したぬりえ美術館は、今年で15周年を迎えることが出来ました。記事ページへ>>
これも偏に皆様方のご支援の賜物と心より御礼申し上げます。
2002年開館当時は、展示什器をすべて埋めることができないほどの作品数でした。その後多くの方々にご寄贈いただくとともにコレクションともあいまって、今では年2回の企画展とその間の常設展を安定してご覧頂けるようになりました。

Posted: Nurie : 17年08月02日 | トピックス

カテゴリー

最近のエントリー

月別アーカイブ

エントリーの検索

ぬりえのお店やさんは閉店しました。 ぬりえのアルバム 大人のぬりえサロン 海外のぬりえ研究室
Page Topへ