東京都荒川区町屋 土日曜のみ開館
開館時間:(3月~10月)12:00~18:00 (11月~2月)11:00~17:00

ぬりえ美術館

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2022年7月18日の記事

7月の美術館ニュース(2)

ぬりえぬりえのあれ、これ No.7

2022年は、ぬりえの出版物の中からぬりえに関する「あれ、これ」をご紹介いたします。


きいちはフジヲだった

昭和15年(1940年)、26際のときに、ぬりえとの出会いが突然の如く現れた。
川端画学校時代の友人が、訪ねてきて、ぬりえの仕事をもってきてくれたのである。
・・・
当時、ぬりえへの印象は、夜店でみた裸電球の下で照らされている白い紙のイメージで、何となく乗り気でなく「自分の絵がそんなぬりえ程度と見くびられた」のかと思ったが、浅草田原町のぬりえ屋の注文で描いてみると意外に楽しい、ということが分かり、加えてぬりえ屋の社長が気に入ってくれたので、描く気になったのである。


当時から歌舞伎は好きで、姉や妹とよく観劇に行ったもので、その経験から歌舞伎をテーマにぬりえを描いてみたが、これが評判よく、多分華やかな感じと歌舞伎の役者絵のように精巧に描いているのが受け入れられたと思うが、そのまま専属の絵描きのようになってしまい、
フジヲという名前でデビューしたのであった。




夏目漱石に「虞美人草」という小説がある。これは夏目漱石の最初の新聞小説で、明治40年(1907)に朝日新聞に掲載され、虚栄の女藤尾を中心に利己と道義の相克を描いて、絢爛たる文体と整然たる構成をもって世評が高かったのである。


きいちは主人公藤尾に、新しい時代感覚としてのインテリ性をみつけ、それに憧れてフジヲとしたのであった。

~小学館スクウェア 「ぬりえ文化」より~



JP007143_640.jpg

「あかいいやりんぐ」
きいち
昭和30年代


女の子は、アクセサリーが大好きです。駄菓子屋さんに指輪や時計など、アクセサアリーを買うことができる箱がありました。一つの箱の中を開けると、中に入っているアクセサリーを買うことができました。何が出てくるのか、とても楽しみでした。
赤いイヤリング、名前を聞くだけで胸がドキドキするようです。


ぬりえ美術館展示情報
壁面には、きいち晩年の作品の絹本を展示しています。什器の中には4つのテーマのぬりえが展示されています。


展示室のご案内
☆6月~7月は常設展示となりますが、絹本の絵は引き続きご覧になれます。


☆館内のぬりえコーナーは、コロナ感染防止のためにしばらくお休みをしています。ご了承のほどお願いいたします。

Posted: Nurie : 22年07月18日 |

7月の美術館ニュース(1)

マスク生活の影響で、ファンデーションや口紅が使われなくなり、代わりに目と眉の化粧品が注目されているそうです。眉の新商品とはどのようなものか、見てみたいですね。

 
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

 
JP007037_640.jpg  
タイトル:つめたいジュースよ
作  者:きいち
年  代:昭和30年代


7月のエントランスは、「お洒落は素敵」をテーマにぬりえを展示しています。


素敵な帽子を被って、美味しそうにニュースを飲む女の子。
この帽子は、クロッシェと呼ばれ、釣鐘に形が似ているところからつけられた名前だそうです。この形の帽子が似合う人は、なかなかいないのでは、と思いますが、1920年代頃のファッションに見られるお洒落な女性たちはこのクロッシェという帽子を被っている人が多いようです。「グレートギャッツビー」の映画を見ていただけると良い、と思います。


今回の7月のエントランスに展示しているぬりえ9枚の中に4枚も帽子を被ったものがあります。それもカジュアルな帽子は1枚で、あとの3枚はとてもオシャレな帽子姿の女の子が描かれています。



昭和30年代、小学生であった私も帽子をよく被っていました。本当に小さい時から祖母が買ってくれ白や茶色のベレーを被っていました。4年生になり文京区の学校に通うようになると、女の子ばかりではなく男子も帽子を被って登校したり、休みの日に何処かに遊びにいくときなど、帽子を被っていたものです。友人のお誕生日会で撮った集合写真を見ると、男子も女子も皆なお洒落な帽子を被っています。帽子が流行というのではなく、普通の生活でした。


今は世界中のファッションがインターネットを通じて知ることができますので、若者たちはどんどんお洒落を楽しんで、素敵になっていって欲しいものです。(館)

Posted: Nurie : 22年07月18日 | 美術館ニュース

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