20周年記念誌制作アンケートを募集しておりましたが、本日で終了いたしました。
たくさんの、貴重なご意見ありがとうございました。
アンケート結果については、後日あらためて発表させていただきます。
ぬりえのあれ、これ NO.8
2022年は、ぬりえの出版物の仲からぬりえに関する「あれ、これ」をご紹介いたします。
きいちのぬりえに誕生の経緯を「夢をつむぐ」(1986年 光村図書)の中で、尾崎秀樹氏のインタビューで次のように語っている。
《子どものための抒情画を描きたかったんです。華宵の描いた少女の抒情画に以前から興味をもっていましたから、こういうものの年齢を下げて子ども向きにし、それをお伽絵とでも題してやってみたかったんですよ。》
《昭和二十二年の一月からお伽の国のお姫さまや子どもたちの遊びに世界を描いて、『キイチ』の名前で自費で出しました。それをある問屋さんに納めたら、その店の川村さんという方が「私は前に勉強堂のぬりえを取り扱っていた」っていうんですよ。そこで「私がそのフジヲで、今度新しく自分で始めましたらよろしく」と話したところ、川村さんは「そういうことなら私もやってみたいから、ぜひ一緒にやりましょう」といってくれました。
絵描きの私には絵を描くことはできても、それを売り出すことはできない。自分一人でするには自ずと限度があるので、喜んでその申し出を受けました。そこへ勉強堂さんとは奥さん同士が姉妹だった石川さんという、絵葉書メーカーをやっていた方も加わり、三人で共同してやることになったんです。やっぱりお伽絵では売れないからぬりえでいこうって、それが『きいち』の初めです。昭和二十二年の夏ぐらいでしょう。
そうしているうちに共同経営ではうまくいかなくなり、川村さんと石川さんが分かれて、昭和二十三年には『きいちのぬりえ』は川村さんの山海堂と石川さんの石川松声堂の二軒から出版されることになったんです》
参考図書:「ぬりえ文化」小学館スクウェア
今月のエントランス
作者:きいち
年代:昭和30年代
「きんぎょすくい」は縁日の華です。「きんぎょすくい」を見つけたら一度はやってみてほしいですね。薄い紙を貼った「ポイ」と呼ばれるすくい網できんぎょを捕まえたときの喜びは、子どもの遊びだけれど大変嬉しいです。良い思い出になることでしょう。
ぬりえ美術館情報
★8月から10月までは秋の企画展となります。
「ありがとうきいち 秋」~きいちのぬりえ 永遠なれ~ を開催中です。
10月で閉館になりますので、きいちのぬりえの可愛さをどうぞ目に焼き付けてください。
展示室のご案内
★8月~10月まで、秋の企画展を開催しています。絹本とぬりえを展示しています。
★館内のぬりえコーナーは、ころな感染防止のためにお休みをしています。ご了承のほどお願いいたします
夏の暑さの上昇に加え、コロナ感染者数も上がっていますので、マスク、手洗いをして気を付けていきましょう。十分な睡眠と水分をとることも忘れずに!!
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
8月のエントランは「水遊びはたのしいな」をテーマにしたぬりえを展示しています。
この夏の暑さを凌ぐには、朝、夕の水撒き、水遣りが一番ではないでしょうか。気分的にも暑さがひいていくような気がします。
今朝の新聞に、水撒きをしている写真と記事が掲載されていました。そこには水を屋根の上にもかけると良い、ということが書かれていました。
屋根の上にまで水をかけたことはありませんが、屋根の上が暑い、温度が高いことは感じていました。今度屋根の上にも水撒きしたいものです。
水撒きをすることが子どもの頃から好きでした。夏の夕方、ホースを持って庭の植木に水遣りをするのですが、途中空に向けて水を撒いていると、虹を作ることができるのです。それが綺麗なので、水遣りをするのが好きだったのかもしれません。
昔は夏が暑くても夕方になると夕立が降って、一気に涼しくなったものでした。ところが最近は夕立というものがありませんね。世界の気候変動により、いろいろ仕方のないことが起きていますが、少しでも気持ち良く過ごせるように工夫をしていきたいものです。
今年の夏の暑さにも負けないように、水撒きをしましょう!(館)
令和4年秋の企画展
「ありがとう きいち 秋」~きいちのぬりえ 永遠なれ~」
期間:2022年8月6日(土)~ 10月30日(日)
秋の企画展では、喜一の晩年の童女画の絹本を壁面に展示しています。
ぬりえは、1.秋の風景 2.花嫁さん 3.昭和10年代のフジヲのぬりえ
4.昭和20年代の4つのテーマのぬりえを展示しています。
8月3日に20周年を迎えました。20周年をもって、10月30日(日)に閉館をいたしますので、是非ご来場頂きますよう宜しくお願いいたします。
2022年8月3日で、ぬりえ美術館は開館20周年を迎えました。これも偏に皆様方のご支援の賜物と心より御礼申し上げます。
ぬりえ美術館20年の歩み
1.2002年8月3日開館
日本でも世界でも初めてのぬりえ専門の美術館として、町屋に開館。館長はきいちの姪で、ぬりえ美術館は館長である金子のプライベート美術館でございます。
開館当初は様々なぬりえ作家の作品を展示しておりましたが、ぬりえ=きいちという声が多く、自然ときいちのぬりえを展示する美術館になりました。
2.ぬりえに関する研究書の出版
ぬりえの美術館を開館したなら、ぬりえについて研究をしていかなければならない、という思いで、ぬりえに関する研究書を共著にて4冊出版いたしました。
2005年「ぬりえ文化」、2006年「ぬりえの心理」、2007年「ぬりえを旅する」、2010年
「ぬりえの不思議」です。
ぬりえの歴史や海外の幼稚園でぬりえがどのように扱われているのか等を書いております。大学生などがぬりえを研究する際には、「ぬりえ文化」を参考にされている、と取材にいらした新聞記者さん伝えに伺い、お役に立っていると嬉しく思いました。
3.海外でのぬりえの展覧会開催
2002年ころは日本のアニメや漫画が海外で大人気となっていました。「ぬりえ」も日本の文化のひとつではないか、と思っていましたので、是非海外で展覧会を開催したいと思いました。
2006年アメリカ・ニューヨーク、2007年ドイツ・カールスルーエ、2008年フランス・
パリ、2009年アメリカ・ニューヨーク、2010年フランス・パリと5年間展覧会開催をいたしました。
アメリカでは、「ポップ!」という評価、フランスでは、日本のお客様が発する感想と同じ感想をいただき、可愛さ、繊細さ、情緒的な面などが評価されました。
4.サロンの開催
ぬりえの展示のほかに、美術館の中でサロンを開催しました。
「ぬりえサロン」、「童謡の会」、「山岡鉄舟研究会」、「山本塾」等、ぬりえから経済まで講師をお呼びして、参加者の方々と交流いたしました。
5.マスコミ関係
新聞、雑誌、テレビなど開館当初から取材をしていただき、荒川区では一番マスコミに取り上げられたのではと思います。そのお陰で広く認知されることとなり、来館していただけたことは本当にありがたいことでした。
6.その他
1)ぬりえ美術館の入館券は、入館者数をナンバリングした部分を切り取っていただくと絵葉書となるような作りになっており、来館者の方には喜ばれています。
2)引き出し式の展示什器は、ぬりえ美術館のオリジナルです。小さい美術館ですので、
この引き出し式什器を用いることにより、より多くのぬりえ作品を見ていただくことができます。
3)来館者は、7月30日現在24120人です。開館日は当初の土日・祝日から土日のみにになりましたが、大勢のお客様に来ていただき、本当に心より御礼申し上げます。
現在ぬりえ美術館開館20年の記念誌の発行を検討しております。制作が閉館後となりますが、完成の暁にはご案内をいたしますので、しばしお待ちくださいませ。
秋の企画展のテーマは、「ありがとうきいち 秋」~きいちのぬりえ 永遠なれ~といたしました。20年のぬりえ美術館の活動が終わっても、きいちのぬりえが皆様のこころの中にあることを願って、“永遠なれ”、といたしました。
きいちのぬりえに描かれた女の子の可愛さ、ファッション、流行、風俗等が昭和の一時代を築いたぬりえ文化として生き続けていきますことを希望しています。
2022年も世界的にコロナという感染症に見舞われ、厳しい環境ではございますが、皆様方のご健勝とご多幸を心よりお祈りいたします。
長い間のご支援、本当にありがとうございました。(館)