東京都荒川区町屋 土日曜のみ開館
開館時間:(3月~10月)12:00~18:00 (11月~2月)11:00~17:00

ぬりえ美術館

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2022年6月 8日の記事

6月の美術館ニュース(2)

ぬりえのあれ、これ No.6

2022年は、ぬりえの出版物の中からぬりえに関する「あれ、これ」をご紹介いたします。



ぬりえで育った人

《色えんぴつの夢 竹宮恵子

駄菓子屋、という言い方は、今でも通用するのであろうか。・・・・


五円、十円と硬貨をにぎりしめて、私は友人の小さな店に走った。妹とともに”ぬりえ”を買うために。うす茶色の粗末なひと束の紙の中に、幾人かの少女達がほほえんでいた。
はっきりとは覚えていないが、それらが”きいち”のぬりえであった気がする。”お出かけ着”や”ゆかた姿”の彼女たちをいかに華麗に色どるか、妹と競争で配色に苦心したものである。


・・・・クレヨンで色をぬることを、私はいつのまにか卒業していた。限られた種類の色えんぴつで、紙の上の少女達に、変化にとんだドレスを着せねばならない。二つの色を重ねる、外側を濃く内側を薄くぼかして、立体感をつける、ほほの赤味のじょうずなぬり方等など、ちいさいな発見を重ねつつ、自慢の迷作を次々と完成させていった。


私は、次第に可愛らしくポーズをとる少女達に、あきたらなくなった。色をぬるだけでなく、ぬり絵そのものを、自分で描くことを覚えたのだ。私の少女達(あるいは少年達)は、
ひとつのポーズにとどまらず、歩き、泣き、笑い、さまざまなセリフまで、しゃべり始めた。平面空間を自在に動かす楽しみは、すでに漫画以外の、なにものでもなかった。



・・・・私と同世代の少女漫画家達の中には、ぬりえからスタートを切った者が多いのではないかと思う。私のもとへ、幼い読者からイラスト(!!)と称する可愛い少女の絵が、たくさん送られてくる。彼らが自分の絵を動かしてみたくなった時、新しい漫画家が誕生するであろう。


私がぬりえを卒業したのは小学校五年の頃と記憶している。(漫画家)》
(『きいちのぬりえ ー メリーちゃん花子さん』草思社)


~小学館スクウェア 「ぬりえ文化」より~



JP000290_db-640s.jpg「ポチあめでかわいそう」
年代:昭和30年代
作者:きいち


昭和の20~30年代、犬の名前に”ポチ”が多くつけられていたものです。
「花さかじいさん」にも、”裏の畑でポチが鳴く・・・”とあります。
ポチは明治時代の文明開花とともに付けられるようになったそうです。
「花さかじいさん」の歌によって、ポチが広まった、とも言われているそうですよ。



ぬりえマスコミ情報
★サンデー毎日創刊100周年5月8日・15日合併号に”「ぬりえ美術館」20周年の節目を経て今秋閉館へ”の記事が掲載されました。



展示室のご案内
★6月~7月は常設展示となりますが、絹本の絵は引き続きご覧になれます。


★館内のぬりえコーナーは、コロナ感染防止のためにしばらくお休みをしています。
ご了承のほどお願いいたします。

Posted: Nurie : 22年06月08日 | 美術館ニュース

6月の美術館ニュース(1)

6月は梅雨の時期で、湿気も多くなり体のほうにも悪い影響を与えがちです。しっかり食べて、十分な睡眠と水分もとり、湿気にも負けないように過ごしたいものですね。

 
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

 
JP002827_db-640s.jpg   
タイトル:あめがふるからおうちで
作  者:きいち
年  代:昭和30年代


6月のエントランスは、「雨でも楽しく」をテーマにぬりえを展示しています。


梅雨の時期がやってくると、しとしとと雨が降って外に出たいけれど、外で遊ぶことができなくなり、仕方なく家の中で過ごすことになります。


ぬりえの中の女の子は本を読んでいますが、女の子なら“ぬりえ”をした、という方が多いのではないでしょうか。
まず1番にぬりえ、2番はお人形遊び、3番にはおはじき、あやとり、お手玉等があげられるでしょう。


ぬりえは北海道で一番売れた、ときいちから聞いています。東北から北海道の雪の多い地区では、雪の時間が長いので、家の中でできるぬりえが一番人気となっていたのだと思います。雪でなく雨でもやはり家の中の遊びでは、ぬりえが夢中になる遊びだったことでしょう。


来観者の方のアンケートなどには、風邪などで学校にいかれないときとか病弱の方が家で寝ているときの思い出の中に、“ぬりえ”がでてきます。つらい時間の時にも、ぬりえがお友達だったのですね。


大人になっても、やはり雨の日は憂鬱です。楽しく過ごすには好きなことをするのが一番です。
音楽を楽しむ、刺繍やパッチワークなどをする、お料理をする、ゲームをする等など。


どんなことをして梅雨の季節を過ごしていくのか、考えると楽しくなりそうです。(館)

Posted: Nurie : 22年06月08日 | 美術館ニュース

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