美術館開設時から多くの皆様にご利用頂いていた「ぬりえのお店やさん」は、商品の在庫がなくなりましたので、本日閉店させていただきました。
長らくのご愛顧、ありがとうございました。
ぬりえのあれ、これ NO.10
2022年は、ぬりえの出版物の中からぬりえに関する「あれ、これ」をご紹介いたします。
きいち自身の中にある気持ちについても、『夢をつむぐ』の中で、次のように語っている。
(―・・の部分は尾崎秀樹氏)
―・・絵を描いていらっしゃって、子どもと一緒に遊ぶような感じもあったんじゃないですか。
蔦谷・・そうですね。自分が子どもの中に入るような感じなんです。私は大人だから子どもに描いてやるんじゃなくて、自分が楽しみながら子どもの時と同じような気持ちで描いていたんです。だから余裕があって描くんじゃなく、子どもの時代に描きたいと思って絵とか憧れた夢、そういったものをありったけ描いちゃう。
―・・ぬりえの世界ではきいちの名前が定着してだんですね。大きな目で見てますと、大正期からの抒情画を童心の世界で、花開かせた感じがするんです。子どもの心を失わないでいるということがよく現れています。
蔦谷・・そうですか。私がいちばん最初に考えた目標というか夢が荘でしたから、少しでも形となれば嬉しいですね。
この発言にきいちの気持ちが素直に表現されている。
きいちは自らがもっている童心を抒情画として描き、それをぬりえという子どもの遊びの世界で実現したのである。だから、きいちのぬりえはきいち自身の投影でもあるのである。
参考図書:「ぬりえ文化」小学館スクウェア
作者:きいち
年代:昭和30年代
長い縦ロールの髪、ネックレス、イヤリング、二つの指輪にブレスレット、飾り物を全部身に着けている可愛いお姫さま。可愛いお姫さまは私、と思いながらぬりえをしていたものでした。
ぬりえ美術館マスコミ情報
☆荒川ケーブルテレビで、ぬりえ美術館が紹介されました。
☆東京新聞に閉館後の作品の寄贈先などが紹介されました。
展示室のご案内
☆秋の企画展「ありがとう きいち 秋」を展示しています。
10月30日(日)が最終日になります。
☆館内のぬりえコーナーは、コロナ感染防止のためにお休みをしています。
ご了承のほどお願いいたします。
10月30日の閉館まで残り僅かとなりました。20年の長きにわたり、きいちのぬりえを愛してくださった皆様方に心より感謝申し上げます。最後のひと時をごゆっくりお楽しみください。
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
タイトル:シンデレラひめ くつをわすれたシンデレラ
作 者:きいち
年 代:昭和20年代
10月のエントランは「お姫様を夢みる」をテーマにしたぬりえを展示しています。
子どもの頃に女の子が夢見たのは、お姫さまの姿であったことでしょう。絵本や映画、テレビなどで紹介されたお姫さまの姿にうっとりとして、自分がお姫さまになったことを想像しました。
空想の世界ではまず素敵なドレスや豪華な着物を着たお姫さまになり、帽子、手袋、扇子、首飾り、イヤリング、指輪など好きなように身に着けてみたものです。
素敵な姿になったら、又空想してダンスや踊りをしてみたり、美しい飾りがされた美味しいケーキを食べてみたり、絵を描いてみたり、何でもすることができた楽しい空想の世界でした。
小学三年生の学芸会で、私は「鈴虫姫」というお姫さまになったことがあります。歌もあるので、その劇はまさにミュージカル。いまでもその歌の一部を覚えているくらいです。
「お爺さん、お婆さん、さようなら。鈴虫姫は籠の中、いろいろお世話になりました~♪♪」・・・
劇というのはきれいな着物を着て、普段はしないお化粧をして、現実とは違う世界味わえる訳ですから、二倍にも三倍にも楽しかった思い出になっています。
9月号の美術館ニュースで「ドレス編」が子どもたちに人気とお伝えしましたが、ドレス姿の女の子はお姫さまに見える、という点がドレス編人気の秘密です。
今も昔も女の子の好きなもの、憧れはお姫さまですね。(館)