東京都荒川区町屋 土日曜のみ開館
開館時間:(3月~10月)12:00~18:00 (11月~2月)11:00~17:00

ぬりえ美術館

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2022年9月 3日の記事

9月の美術館ニュース(2)

ぬりえのあれ、これ NO.9 

2022年は、ぬりえの出版物の中からぬりえに関する「あれ、これ」をご紹介いたします。


「きいちの魅力」をきいち自身が語っている言葉を、『夢をつむぐ』の尾崎秀樹氏によるインタビューの中から見てみたい。(―の部分が尾崎氏)


―・・「きいちのぬりえ」は本当に長い間続きましたね。けっこう男の子もやっていた。こういった無国籍な女性に対する憧れが子どもの心にあったってことだとおもいますよ。


蔦谷・・私の描いた女の子は、よく色香があるっていわれるんです。


―・・フランス人形の与えるイメージに近いですね。蔦谷さんの描かれる女の子は、なんとなく下ぶくれの、目がパッチリしていて口元が愛らしく、それで三等身か四等身ぐらい、
足が割合に太めという一つの型がありますが、最初からこうしたイメージがあったのですか。


蔦谷・・そうですね。子どもを描き始めたときになぜか最初からそうでした。やっぱり子どもらしさってことを考えたんでしょうね。子どもはだいだい三等身、四等身だし、足が太いのは顔とのバランスをとるために結局太くなったんです。そんで可愛いっていわれるから、それじゃこれでいこうなんて。(笑)
フランス人形からはずいぶん影響を受けたと思いますよ。いちばん最初に描く時に、こういう形でいこうかなと思いましたから。


―・・髪をカールさせるのもそこからですか。


蔦谷・・そうですね。それからシャーリー・テンプルの影響もあるんじゃないですか。
子どもの絵ですから意識的に外国のファッションを描こうと思ったことはないんだけれども、子どもの絵だからといって単に子どもらしく描いたんじゃだめなんです。服装にしても、服飾デザイナーになったつもりで大人のファッションを持ってきたりして、いろんな服を着せてやりたいと考える。ときにはイヤリングや指輪などの、女の子がしてみたいなと憧れているアクセサリーもつけてやりました。それを子どもらしく描くと子どもたちに喜ばれましたよ。


―・・それはやっぱり子どもの願望があるんですね。


蔦谷・・無国籍さといいますが、子どもの夢の中に外国の女の子のイメージがあるんじゃないですかね。特に戦後の女性や子どもファッションは欧米のものが入ってきたでしょう。だから自分の夢を表現してくれたっていうんで受けたんじゃないでしょうか。
それに子どもたちの好むものは遊びの絵なんです。学校へ行く絵とか学校の中での絵ではだめなんですね。だからお遊びと、ごく普通の風俗を主として描きました。


参考:「ぬりえ文化」小学館スクウェア

今月のエントランス

jp002102x_640.jpg「ダンスをしましょう」

年代:昭和30年代
作者:きいち

ドレスを着たら、何をしましょうか?もちろんダンスで決まりでしょう。音楽も聞こえてきそうですね。Shall we dance?


ぬりえ美術館マスコミ情報
★8月4日東京新聞でぬりえ美術館が20周年を迎え、10月30日(日)に閉館することが紹介されました。

10月で閉館になりますので、きいちのぬりえの可愛さを是非目に焼き付けてください。


展示室のご案内
★8月~10月まで、秋の企画展を開催しています。絹本とぬりえを展示しています。

★館内のぬりえコーナーは、ころな感染防止のためにお休みをしています。ご了承のほどお願いいたします。

Posted: Nurie : 22年09月03日 |

9月の美術館ニュース(1)

10月30日の閉館まで残り2か月となりました。暑い中を来館してくださるお客様に感謝申し上げます。きいちのぬりえを目に焼き付けて頂けたら嬉しいです。

 
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

 jp002420x_640.jpg
   
タイトル:はなみたいにかわいいこ
作  者:きいち
年  代:昭和30年代


9月のエントランは「ドレスが大好き」をテーマにしたぬりえを展示しています。
 

ぬりえ美術館の中できいちのぬりえ本を販売しています。その中で年配の方に人気のテーマは「お手伝い編」です。昭和の子どもたちのお手伝いする姿が懐かしさを呼ぶようです


そして子どもたちに大人気のテーマと言えば、「ドレス編」です。ドレスを着た女の子たちは、まるでお姫様のように見えることと、素敵な足元までの長いドレスは女の子たちをワクワクさせる憧れのファッションだからです。

普段着ている服は膝の前後の短い服でしたから、長いドレスは映画の世界や絵本の中でしか見られないようなものでした。子どもにとっては映画を見るには、親たちと一緒でないと見ることができませんので、なかなか見れるもの、手の届くものではありませんでした。


きいちのぬりえの世界では、様々なドレス姿の女の子が描かれました。ドレスを着て、ネックレス、イヤリング、ブレスレット、指輪などを身に着けていました。アクセサアリーを描けば描くほど、ぬりえが人気となり売れたそうです。


駄菓子屋さんのおもちゃに、指で箱に穴をあけると中に指輪や時計などのアクセサリーが入っているものがありました。女の子は、小さくて可愛いアクセサリーが大好きなのです。そういう女の子の気持ちを考慮して、きいちは沢山の可愛いドレス、豪華なドレス、お洒落なドレス等など、20余年に渡って描いて、女の子の気持ちを満たしてくれました。
ありがとう きいち! (館)

Posted: Nurie : 22年09月03日 | 美術館ニュース

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