東京都荒川区町屋 土日曜のみ開館
開館時間:(3月~10月)12:00~18:00 (11月~2月)11:00~17:00

ぬりえ美術館

前 2022年4月 | ぬりえ美術館のブログ | 2022年6月 次

2022年5月15日の記事

ぬりえ美術館 20周年記念誌制作のアンケート

ぬりえ美術館は2022年8月で開館20周年を迎えます。
20周年をもって、今年10月末で閉館いたします。
皆様には、この20周年記念誌制作アンケートにご協力をいただけましたら幸いでございます。よろしくお願いいたします。

※1922年8月31日でアンケートの受付は【終了しました】。

Posted: Ziromin : 22年05月15日 | トピックス

2022年5月 3日の記事

5月の美術館ニュース(2)

ぬりえのあれ、これ  No.5


2022年は、ぬりえの出版物の中からぬりえに関する「あれ、これ」をご紹介いたします。


ぬりえで育った人

《ぬりえの誘惑 田辺聖子》


子どものころのぬりえには、ベティさんやミッキーマウスがあった。
それからおたばこ盆に髪を結った女の子など。戦前のせいか西洋人はなく、日本髪の女の子が多かった。昭和のはじめから十五、六年まで、つまり、昭和三年うまれの私が女学校へはいるまで、小学生のあいだじゅう、ぬりえに親しんできた。


教育ママの母は、ぬりえなど幼稚で、ちっとも絵の勉強にならないというのだ。
しかし私は、白地の絵をみると、色がぬりたくてむずむずするのだった。きれいな日本髪の少女や、たもとの長い着物を着た少女をみると、どんな色の髪飾りにしようか、どんな色の着物にしようかと、ぬりえを抱えて帰る道すがら、うれしさで気持ちがわくわくするのであった。


小さいうちはクレヨンであったが、小学校高学年になると色鉛筆を使い出した。こまかい部分までぬれるからであった。だんだん技術も高尚になってきて、着物の柄など、肩から裾にかけてぼかしを用いて、色を変えたりする。

途中省略



こういうことを、小学生の私は学校からかえるなり、黙々と机に向かって何時間でもやっていたのだ。洟をすすりながら私は精魂こめて、一心ふらんにぬり埋めていた。



ノートの裏表紙などに、ぬりえのつもりではないのであろうが、色のない絵がかいてあったりすると、私はすぐさま、ぬりつぶしたくなるのであった。

また、ぬりえの線はやわらかく、いかにもぬりたくなる衝動をおこさせ、誘惑するのである。ぬりえに熱中した後遺症というべきか、いまも私は「源氏物語絵巻」の白描の絵などをみても、つい、色鉛筆でぬりうずめたくなってしまうのだ。私の小説はわりに視覚的だと思うのだが、それとぬりえにしたしんだことと関係があるのだろうか。(作家)》

(『きいちのぬりえ ー メリーちゃん花子さん』草思社)



今月のエントランス

JP006628-640s.jpg

「やわらかいしばふのうえ」
年代:昭和30年代
作者:きいち

女の子は、なんと優雅な姿でしょうか。野外の芝生の上に座っているのに、足の伸ばし方が綺麗です。大人びて見えます。長い髪に大きなリボンをつけて、ずっとお姉さんに見えますね。





ぬりえ美術館展示情報

☆3月~5月の春の企画展では、壁面にきいちが晩年に描いた美人画や童女画の絹本を展示しています。(絹本:絹に描いた絵)



展示室のご案内

★きいちの描く絹本をお楽しみください。

Posted: Nurie : 22年05月03日 |

5月の美術館ニュース(1)

ゴールデンウィークで、三年ぶりに行楽地が賑わっているようです。私達日本人はマスクに慣れているとはいえ、早くマスク無しの生活に戻りたいものです。皐月の爽やかな季節を充分にお楽しみください。
 

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

JP006688-640s.jpg
タイトル:おねえさんのこんれい
作  者:きいち
年  代:昭和20年代

   

5月のエントランスは、「パーマとリボンは可愛い印」をテーマに展示しています。
 

昭和20~30年代には、子どもがパーマネントをかけるということは、殆どされていませんでした。それでも子どもたちは可愛らしくするために、二股になったコテを火にかけて熱くして、髪にはさんでクルクルと巻いて、髪にウェーブを付けたりしていました。 
今考えると、耳の部分が熱くなって、「動いては、ダメ!」と言われ、少し怖かったことを思い出します。

リボンは町の小間物屋さんに化粧品などと一緒に売られていました。幅の広いリボンは、当然値段が高いので、きいちのぬりえの女の子が付けているような大きなリボンは付けられませんでした。


当時の女の子がパーマをかけていないのに、きいちのぬりえの女の子がパーマであるのは、当初のきいちのぬりえのモデルがアメリカの俳優の“シャーリー・テンプル”の髪にあったのだと思います。金髪で柔らかなウェーブの髪をしていました。
日本人は黒髪で、女の子はわかめちゃんカットのおかっぱ頭が主流でしたので、ウェーブのついたヘアスタイルは本当に憧れだったと思います。そのため、コテの熱いのも我慢して、ウェーブを付けてもらっていたのだと思います。


又リボンと言えば、七五三の女の子は皆頭に鶴の飾りのついた大きなリボンを髪につけたものです。 やっぱり女の子は、リボンとパーマが好きなんですね。(館)

Posted: Nurie : 22年05月03日 | 美術館ニュース

カテゴリー

最近のエントリー

月別アーカイブ

エントリーの検索

ぬりえのお店やさんは閉店しました。 ぬりえのアルバム 大人のぬりえサロン 海外のぬりえ研究室
Page Topへ