東京都荒川区町屋 土日曜のみ開館
開館時間:(3月~10月)12:00~18:00 (11月~2月)11:00~17:00

ぬりえ美術館

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2022年3月 6日の記事

令和4年春の企画展を開催しております。

令和4年春の企画展
「ありがとう きいち 春」~きいちの春は花のいろ~

蔦谷喜一が晩年に描いた童女画の絹本を展示しております。

期間:2022年3月5日(土)~5月29日(日)

今年の春の企画展では、喜一の晩年の童女画を展示しています。

ぬりえ美術館は、8月で開館20周年を迎えます。

20周年をもちまして、本年10月末に閉館いたします。

Posted: Ziromin : 22年03月06日 | トピックス

2022年3月 5日の記事

3月の美術館ニュース(2)

ぬりえのあれ、これ NO.3

挿絵の源流、ルーツについて
~小学館スクウェア 「ぬりえ文化」より~


挿絵の一形式ともいえるページの余白部分の彩飾に対しては、イルミネーションilluminationという呼び名があります。いまではネオンランプで周囲を飾ること、つまり「電飾」の意味に使われますが、もともとは中世に羊皮紙の書面を美しく装飾することでした。


そしてこのイルミネーションのルミネも語源は「光らせる」にあります。どちらにしても西洋では、挿絵とは文章やページを光り輝かせる役割を持つ図像ないしは意匠だったわけです。


ついでに書きますが、同じ「光り輝かせる」図像でも、イラストレーションは文章を輝かせ、イルミネーションはページを輝かせます。ということは、前者は別の文章に転用できませんが、後者はそこに書かれた文章の内容に関係なく、他のページにも転用できます。


イルミネーションのほうはそれだけ装飾性が高く、一方イラストレーションは文章内容の「図説」「図解」の役割に傾いています。ですから、西洋で挿絵という場合は必要最小限の条件として、イラストレーションかイルミネーションのどちらかの役割が求められているわけです。



もちろん、両者を兼ねた挿絵装飾なら理想的で、これはやがて「デザインdesigin」と呼ばれる総合的な書物制作の技術へつながっていきます。



今月のエントランス

jp002257x640s.jpg「ちいさいおだいりさま」
年代:昭和30年代
作者:きいち


お内裏様を手にもつ女の子。手前にはお菓子やお酒のとっくりが描かれています。
お雛様を飾るだけでなく、お菓子など楽しみでしたね。色は綺麗で甘いお菓子。女の子なら誰でも好きなものですね。




ぬりえ美術館情報

3月からの春の企画展でも壁面にはきいちが晩年描いた美人画や童女画の絹本を展示しています。(絹本:絹に描いた絵)


展示室のご案内
☆きいちの描く絹本をお楽しみください。

☆館内のぬりえコーナーは、コロナ感染防止のためにしばらくお休みをしています。ご了承のほどお願いいたします。



Posted: Nurie : 22年03月05日 |

3月の美術館ニュース(1)

3月に入り暖かい日が続いて春めいてきていますが、コロナ感染の蔓延防止期間が延長され、気持ち的にはまだ春はこないのか、と寂しくなります。ぬりえの絵の世界だけでも春のひな祭りをお楽しみください。


ぬりえのこころ -今月の一枚- 


館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

 
jp002250x640s.jpg   
タイトル:もものおせっく
作  者:きいち
年  代:昭和30年代

3月のエントランスは、「嬉しい雛祭り」を展示しています。




今年は1月から雪が降り、厳しい冬の寒さが続いていますが、それでも3月、弥生の声を聞きますと春がやってきた、とい嬉しい気持ちになります。


1月の梅の花に続いて、3月は桃色の桃の花の季節となります。桃は、古代中国から邪気を払う神聖な樹木、花として大切にされてきました。実を食べると不老不死の仙人になれるとか、花も邪気を払うと言われていました。葉もまた漢方薬などに利用されてきたため、桃の花を飾ったり、桃の花を浮かべたお酒が飲まれたりしていました。


私の子どもの頃には、夏になると汗疹の予防のため桃の葉をお風呂にいれて入浴したりしていました。桃の花がピンクで綺麗なことは勿論、食べてもおいしい桃ですから昔から大切にされていたのでしょう。


以前山梨で桃の畑を見たことがありますが、一面ピンク色で大変美しかったです。またギリシャでピンク色の花の木を見つけて「桜の花かしら?」と思ったら、それはアーモンドの花でした。

日本人はピンク色の花を見ると、桜の花を想像してしまいますが、桜以外にも美しいピンク色の花はあるのですね。


小さい頃から桃色、ピンクに慣れている女の子や女性にとって、桃の花は一番心がうきうきする花の一つではないでしょうか。(館)

Posted: Nurie : 22年03月05日 | 美術館ニュース

美術館便り3月~5月合併号

令和4年春の企画展
「ありがとう きいち 春」~きいちの春は花のいろ~
蔦谷喜一が晩年に描いた童女画の絹本を展示いたします。

2022年3月5日(土)~5月29日(日)

ぬりえ美術館は、8月で開館20周年を迎えます。20周年をもって10月末に閉館いたします。

今年の春の企画展では、喜一の晩年の童女画を展示しています。童女画について、きいちは小学館発行の「わたしのきいち」の中で以下のように語っています。


<ずっと美人画をめざしてきたが、最近美人画は余技だとわかった。これからは童女の絵を中心に描いていこう、八十歳をすぎて、ようやくその覚悟ができました>


喜一がせっせと描き続けた童女百態シリーズの絵は個展などを通して多くの喜一ファンの手元へ渡っていった。その数は優に百枚はこえると思われるが、それでもまだまだえがきたりないと言う。
「童女のもつ愛らしさとかやさしさとか、また色彩という面ではかなり満足できるものにしあがっていると思うんです。しかし問題はデッサンです。どうしてもデッサンがうまくいかない。」
3頭身の童女の絵にも厳密なデッサンは必要なのだ。


あれほど美人画に憧れ、いつかは美人画だけを描く画家になりたいと思いを募らせてきた喜一だが、八十歳を過ぎて、童女画こそ自分の取り組むべきテーマであることに気付いたようだ。
 

「美人画は描いていて楽しいし、これからも続けていきたいと思いますが、でも、自分の生涯の仕事として全うするものじゃないと最近思うようになりました。それに、私が描かなくても、ほかにいくらでも描く人がいる。だから今後は美人画については余技でやっていこうと考えています」


まわりの評価はともかく、同じ表情の童女画を毎日毎日描き続けることからするなら、ひとつの作業を積み上げるという点で、アーティストより職人というほうが自分にふさわしいと思うこともある。


「父親の郷里に伝わる津軽塗りは、何度も何度も色を重ねていくことで、意外な風合いが出て、それはそれでとてもいいものです。でも、何回も色を重ねる作業といったら大変なもので、それを洒落でね、ばかにならなくちゃできないからと、“ばか塗り”なんて読んだりもするんですね。私の絵もこれに近いかなと思うことがあります。八十を過ぎても飽きもせず女の子の絵ばかり描いているなんて、変わり者で、ばかだと思われるかもしれない。でも、私自身が楽しく、喜んでくれる人がいるなら、ばかにだってなれる。やり続ける意味は十分にあると思うんです」


「今日あるのは、ぬりえのおかげなんですけどね、逆にぬりえに翻弄されて、一生分を遊んでしまったかなと思うことあるんですよ。もっと、その遊びがなかったら、ここまで童女の世界に固執できたか、そのへんはわかりませんけどね」


「昔から、悠久の雲に乗ってふわふわ飛んでいくみたいな、そんなことを想像するのがとても好きだった。だから、これから精いっぱい絵を描いて、最後は天使たちに迎えられて、ふわふわした雲に乗っていくようなのがいいと思っているんですよ。そう考えると死ぬことも、また楽しいという感じ。こんな最後が一番自分にふさわしいと思うんです」


昭和20~30年代のぬりえから、晩年は絹にぬりえのような女の子を描く童女画へと変化をとげた喜一。
ぬりえに翻弄された、という言葉もでてきましたが、美術館を訪れる来館者の言葉を聞いていると、あの時代にあのぬりえがあったから心が温かく、満たされた、ときいちに感謝し、満足されている方々はほとんどです。


あの当時、あの時代の過去のものとしてとらえるのでなく、自分の作品が当時の子ども達にどれほどの影響を与えていたかを考えてもらえば、翻弄されたとはかんがえる必要なないと思います。
ぬりえが流行していた時代の中で、きいちのぬりえだから、きいちだけしかできなかったぬりえのすばらしさをあると考えています。



ぬりえ美術館は今年20周年を迎えますが、20周年をもって閉館の予定でございます。10月までは、きいちのぬりえの魅力を精一杯ご紹介していきたいと思います。

引き続きご支援、ご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。(館)

Posted: Nurie : 22年03月05日 | 美術館だより

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