ぬりえ美術館は2022年8月で開館20周年を迎えます。
20周年をもって、2022年10月30日(日)で閉館いたしました。
最後の企画展
新年明けましておめでとうございます。 昨年は何度が休館を余儀なくされた時期がございました。難しい環境ではございますが、少しでも開館でき、展示を楽しんでいただける時間が続きますよう、心から願っています。今年もご来館をお待ちしています。
毎年秋の恒例となっております「ぬりえコンテスト」、昨年10月に開催し、第12回目を数えることになり、104作品が集まりました。 応募をいただきました皆様がたには心より御礼をお申し上げます。
優秀作品、ならびに次点作品は12月4日(土)よりぬりえ美術館のホームページにて公開をしておりますので、是非ご覧いただけましたら幸いです。又昨年はぬりえコンテストを告知しております東京新聞には優秀作品を掲載してご紹介をいたしました。
応募をいただきました方のコメントから、“子どもの頃のぬりえの思い出”ならびに“コンテストの感想”をいくつかご紹介をさせていただきます。
京都市 秋葉洋子様 70代
■子どもの頃のぬりえの思い出
・幼少のころ、10円のおこづかいを握りしめ、駄菓子屋さんの天井からぶら下げられていた「ぬりえ」を買っていたのを思い出します。確か、5枚セットになったものだったと記憶しています。自宅から幼稚園が遠く、通うことができず、ぬりえをして時間を過ごしていた思い出があります。
●コンテストの感想
・久しぶりに「ぬりえ」を楽しみました。わかりにくいと思いますが、背景をグラデーションにしてみたり、ドレスを華やかな色で採色してみたりと、自分なりに工夫してみました。新聞に掲載されていたものをコピーしましたので、裏文字が映ってしまいっていて残念です。でもがんばって完成させました。
コロナが落ち着いたら、「ぬりえ美術館」を訪問したいと思います。きいちが描く女の子は、今みてもかわいいですね。
東京都 本多晶様 80代
■子どもの頃のぬりえの思い出
・はるか遠い昔(きいちのぬりえ)はまるで夢の世界でした。仲良しのお友達とお互いに足りないクレヨンを貸し合いながら、それはていねいに仕上げましたネ。出来上がったぬりえをカベに並べておやつを頂きながら眺めた幸一杯の時代でした。その時代のお友達も一人を残して皆お先に旅立って行かれて・・・
●コンテストの感想
・コンテストの記事を目にしまして、87才になった記念に天国の幼友だちを思って勇気を出して参加させて頂くことに致しました。
千葉県 矢澤むつ子様 年齢不明
■子どもの頃のぬりえの思い出
・子供の頃、母が買って来てくれたぬりえを二つ上の姉とコタツに入ってそめていました。
(山形県生まれ)(電気がくらいので、日中そめてました)
●コンテストの感想
・今は高齢者住宅で週二回デーサービスのぬりえを頂いてそめるのが楽しいです。
東京都 矢崎克子様 70代
■子どもの頃のぬりえの思い出
・なんと懐かしいぬりえを又出来るとは、嬉しいでした。・・・・普段の様子のぬりえの中の少女の姿は、私達とは違って、とてもオシャレな服と髪型です。この子の世界に入って一緒に遊べている楽しい時間でした。又沢山のお姫様と会えるのも嬉しい事でした。
●コンテストの感想
・今の時代でも、この無邪気な可愛らしい子供の姿が見られる事、とても嬉しいです。・・・このような純真な子供の姿は大切にしたいです。この企画のおかげで、いろいろ思い出せて嬉しいです。
東京都 三上朋子様 80代
■子どもの頃のぬりえの思い出
・こどもの頃いつも(きいちさんのぬりえ)をして楽しみました。雨が降って皆と外で遊べなくても家でぬりえをするのが楽しみでした。
●コンテストの感想
・今もきいちさんのぬりえを楽しむことができ、ほんとうにありがたくうれしいです。
茨城県 小林友子様 50代
■子どもの頃のぬりえの思い出
・子供の頃からぬりえが好きで当時新しく発売されたクーピーを母親にだまって買ってしまい(おこづかいをためていた)とても怒られた記憶があります。
●コンテストの感想
・童心に戻ってとても楽しいです。ずっとコンテストを続けて欲しいです。ぬりえ美術館にも是非行ってみたいです!
千葉県 服部則子様 80代
■子どもの頃のぬりえの思い出
・目を閉じて記憶を辿ってみました。5才頃でしたでしょうか。夕食の終わった、小さいちゃぶ台でした。うす暗い裸電球でした。「新しいクレヨン」と「かわいい女の子の絵」で、ワクワクしていっしょうけん命に塗っていた自分を思い浮かべます。
傍らには、いつも、編み物をしている母がいました。終戦後間もない生活のきびしい時だったと思います。昔の映画の「ワンシーン」のように思います。セピア色です。70数年を経て、引き出しの奥にある古い色鉛筆が、今回、再び東京しました。
●コンテストの感想
・20日程前、「東京新聞」で偶然目に留まりました。一応切り抜き、体調が許せば、応募したいと思っていました。幸い、応募させていただくことができました。(初めてで、ドキドキしています)
東京都 小梶恭子様 50代
■子どもの頃のぬりえの思い出
・当時は駄菓子屋さんで何枚かが大福帳のように天辺にひもを通して綴ってあったと記憶しているのですが・・・ 近所の仲良しの子とお互いの家を行き来しぬりえで遊んでいました。
●コンテストの感想
・ぬりえコンテストを知り”やってみたい”とトンボの色えんぴつを買いました。次回も宜しくお願いいたします。
新聞の告知広告から、遠い昔に思いを馳せ、コンテストに参加してくださった皆様。本当にありがとうございました。小さい頃のぬりえの思い出からお母さん、お婆さんまで思い出が広がって、それも又楽しい時間であったことと思います。
このコロナのために自粛する生活のなかで、改めてぬりえの魅力に気が付かれた方も多いようです。きいちのぬりえの少女は今も健在です。(館)
ぬりえのあれ、これ No.1
2022年は、ぬりえの出版物の中からぬりえに関する「あれ、これ」をご紹介いたします。
「タイのぬりえ」 ~小学館スクウェア 「ぬりえ文化」より~
日本だけでなく、フランスやアメリカにぬりえがあるように、世界中にぬりえがある。
なかでもタイのぬりえにはオリジナリティーがあり、興味をそそられた。
そこで、タイの知人を通じて、2002年12月にひとりの画家を紹介され、その後も2003年、2004年と連続してタイに行き、この画家とぬりえを出版している企業からタイのぬりえ事情を聞くことができた。
タイのぬりえの発祥は、ラーマ5世(在位1868~1910)の時代に、出版技術が開発され、新聞が発行されるようになり、この新聞の中に描かれたイラストがぬりえの始まりといわれている。いわゆる風刺漫画、ポンチ絵からと思われる。
ラーマ5世は、在位期間が明治天皇とほぼ同時代であり、日本のぬりえの発祥も明治時代であるから、国は違えど同じ頃に誕生していることになる。偶然かも知れないが同じタイミングということが興味深い。
タイにおいて、ぬりえ作家といわれている人は、新聞にイラストを描き始めたヘーム・ウェチャコン氏で、1903年生まれであるから、ちょうど2003年が生誕100年でそれを記念した本も出版されていた。ぬりえ作家といわれるのは、「タイではこの人ただひとり」との出版社見解である。
タイではぬりえを「カーテユーン」と呼んでいる。英語で風刺漫画のことをcartoon(カーテユーン)という。漫画とぬりえは違うのに、どうしてカーテユーンと呼ぶのか、またタイ語でなく英語で呼ぶのはどうしてなのか不思議に思っていたのだが、その歴史的経緯が分かり、納得できた。
ぬりえの発祥を知ることは、どこの国でもぬりえの研究がほとんどされていないために難しい事なのですが、タイでは上述のように発祥を知ることができて大変嬉しく思いました。
(館)
今月のエントランス
東北のどこか雪が深い地方の子どもが、雪を防ぐために、フード付きのケープを着ていますが、今見てもとってもお洒落です。これなら雪が沢山降っても、大丈夫ですね。
ぬりえ美術館展示情報
2022年も壁面にはきいちが描がいた美人画や童女画の絹本を展示いたします。
展示室のご案内
☆きいちの描く絹本をお楽しみください。
☆館内のぬりえコーナーは、コロナ感染防止のためにしばらくお休みをしています。
ご了承の程お願いいたします。
新しい年の始まり。感染防止を続けなければならない世の中ではありますが、前向きな気持ちを忘れずに前に進んでいきたいと思います。ぬりえ美術館は今年8月に開館20周年を迎えます。
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。こ
のコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
1月のエントランスは、「お正月は何して遊ぶと題しまして、お正月の遊びのぬりえを展示しています。
お正月は、子どもにとって最大のイベントで楽しみな時でした。新年の服、お正月のご馳走、お正月のお祭り、そしてお年玉等など。
唄にも「もういつく寝るとお正月、お正月には凧あげて、独楽を回して遊びましょう。早く来い、来い、お正月」とあり、全くその通りでした。
お正月というと、羽根つき、まりつき、双六、福笑い、百人一首、かるた等があり、毎年それらの同じ遊びをしていたように思います。
独楽や凧揚げは男の子がするもので、女の子は余りしませんでした。凧を買って、揚げてみましたがあまり上手に高く上げられず難しかったことを思い出します。
お正月には服やら何やら色々と新調してもらえ、すべて新しいものに着替えてお出かけするのはとても気持ちが良いもので、新年の喜びでした。 そして一番嬉しいお年玉を貰うと、本屋さんに行ったり、親たちと映画を見に行ったりして、華やいだ繁華街がウキウキと嬉しかったものです。
ぬりえ美術館のあたりでは浅草が一番賑やかで華やかな繁華街であったと思います。(館)
2022年度は8月に開館20周年を迎える年になります。今年もきいちにぬりえと共に喜一が晩年に描いた絹本を展示いたします。開館日時は2月まで、土曜・日曜日の11時~5時までです。お待ちしています。