東京都荒川区町屋 土日曜のみ開館
開館時間:(3月~10月)12:00~18:00 (11月~2月)11:00~17:00

ぬりえ美術館

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2020年12月 5日の記事

12月の美術館ニュース(2)

きいち千夜一夜 No.23   ☆きいち没後15年☆

今年はきいちの没後15年に当たります。これにちなみまして「きいち千夜一夜」と題しまして、きいちについてご紹介していきたいと思います。

物静かな喜一のペースに、まさがすっかり巻き込まれてしまうまでには、そう時間はかからなかった。まさは子供のころから、活発で負けん気の強い性格。和裁の修行時代も”お前にまかせておけば、間違いはない”と師匠が関心するほどのしっかり者だった。だが、結婚後は、そんな張り詰めた気持ちもどこかへ吹き飛んでしまった。久々に小学校の同窓会でまさにあった同級生たちは、あまりの変わりように驚いたという。


「家内の実家は農家だから、男は男らしくそとでばりばり働くものだと教えられて育ったんだろうと思います。でも、私と会うことで基準がすべてくるって、調子を乱してしまったんじゃないかな。人形やハンドバッグやコートまでちくちく縫ってしまう男なんて、当時はそういなかったでしょうから。でも、普段の暮らしの中からデザインやアイデアがいろいろ沸いてくるので、形にしないと気が済まないんですよ。

 
だから、私が着ていたオーバーや国民服を見て、家内の兄に”俺もそういういのがほしいから、洋服屋を教えてほしい”と聞かれた時には困った。体に合わせて、立体裁断で自分で適当につくったものだから、二度と同じものはできないの」
彼はぬりえやきせかえを描いていて、服のデザインに悩んだことは一度もなかったというが、それはこのようなエピソードからも、うかがい知ることができる。
「こんなふうですからね、私は自分の人生を一度も不幸だと感じだことはないの。でも、家内は違ってて、ぬりえが売れなくなってからは、とても幸せそうでしたね」

喜一の父親が、日の丸の絵を奉納するという自らのスタイルで信仰を深めていったのに対し、母親のほうは実際にある宗教財団に属し、積極的な活動を行っていた。そして喜一とまさが結婚すると、二人とも半ば強制的にその団体への加入を勧められた。しかし、まさの両親は宗教活動など受け入れないタイプ。喜一もなにかといえば上納金を求めるという団体のやり方に疑問を持っていたが、母親の命令には逆らえなかった。


まさのつわりがひどかったり、母乳の出が悪かったりすると、母は決まって”教会にもっとお金を納めなさい”と言った。喜一夫妻はそれについては適当に聞き流し、取り立てて逆らうこともなかったが、洗礼を勧められた時には少々困った。まだ新幹線もなかった時代、十時間以上も列車に揺られての本部入りも大変だが、子供が小さ過ぎて一緒に連れていけないという問題もある。洗礼には夫妻で交代に出かけなければならなかった。

☆参考図書「わたしのきいち」小学館


今月のエントランス


「くつしたになにをいれてもらいましょう」
作者:きいち
年代:昭和20年代

サンタクロースからプレゼントを期待する女の子。靴下を下げて、ゆっくり見る夢は欲しかったお人形でしょうか、それとも自分の洋服でしょうか?
クリスマスは子どもたちにとって、ワクワクする行事の一つでした。


ぬりえ美術館メディア情報
〇東京ケーブルネットワーク提供の「あらぶんちょ!」通信ならびに「あらぶんちょ散歩」でぬりえ美術館が紹介されました。
「あらぶんちょは!」は、荒川区、文京区、千代田区の様々な情報をお伝えする、地域密着型生活情報番組です。


展示室のご案内
☆9月から常設展として、着物、お人形、食べ物、お手伝いをテーマにした可愛いぬりえを展示しています。
☆館内のぬりえコーナーは、コロナ感染防止のためにしばらくお休みをしています。ご了承のほどお願いいたします。

Posted: Nurie : 20年12月05日 | 美術館ニュース

12月の美術館ニュース(1)

コロナの第三波が来ています。ワクチンの開発も進んでいるようですので、各自が気をゆるめずに、手洗い、三密をさけるなどの基本を守って予防して、元気で新年を迎えましょう。

 
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものやテーマを設けて月毎に展示しています。こ
のコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
 

  
タイトル:あたしはサンタクロースよ
作  者:きいち
年  代:昭和20年代
     
12月のエントランスは、「クリスマスを楽しもう」と題しまして、クリスマスがテーマのぬりえを展示しています。
今年はコロナ渦のため、ステイホームの時期があったので、歳の終わりが来るのが大変早いように思います。もう12月になりました。行事的なことがほとんど中止となり、夏の花火、お祭り、行楽などしないで過ごされた方が多かったのではないでしょうか。


ステイホームの時間に、花壇や野菜を作ったり、ホットケーキなどを手作りしたりして、従来とは違った時間を過ごされた方も多いことでしょう。
断捨離を家族総出でしました、と何人かの友人からお知らせがありました。従来とは違う新しい生活を楽しもうとする人々も多いのですね。

今年もやってきたクリスマスの時期を、どのように楽しむのか、頭を悩ませていらっしゃることでしょう。元々欧米ではクリスマスは家族で過ごすもののようです。原点に返って、家でご家族と楽しんでみる計画を立ててみてはいかがでしょうか。クリスマスの食事を手作りしてみる、クリスマスの飾りつけを家族皆んなでやってみる、プレゼントを手作りしてみるなどなど、できることが沢山ありそうです。

来年の幸せを祈りながら、楽しいクリスマスの時間をお過ごしください。(館)

Posted: Nurie : 20年12月05日 | 美術館ニュース

12月の美術館便り(2)

神奈川県 柳瀬 冨美子様 80代
★私は小学校に入学する二ヶ月早い二月に学童疎開に福島へ行きました。八月十五日の玉音放送を聞き、戦争が終わって東京上野に帰ってきました。多くの犠牲になられた人々の命のかわりに得られた平和を大事に守りつづけなければと思っています。
小学校生活のなかでお友達とぬりえをするのが、とても楽しい事でした。学校から帰ってくると、お友達の家に行きクレヨンできれいにぬって遊んでいました。お友達の家は御両親働いていましたので、弟妹のめんどうをみていましたので、ぬりえをするのが楽しかったです。
八十才になった時 横浜の有隣堂という大きな本屋さんの棚に並んでいたのを見つけ とても嬉しかったです。
きれいにぬりました。一枚一枚時間をかけて塗っています。子供の頃の一番楽しい時間を過ごす事のできるきいちの塗り絵でした。感謝の気持ちで一杯です。


埼玉県 上野 豊子様 80代
★小一で終戦をむかえ 文房具も乏しい中で暮らしました。友だちの塗り絵を借りて窓ガラスに当ててワラ半紙を重ね鉛筆で写し取っては色を塗って楽しんでいました。「きいち」の塗り絵は憧れでした。描かれている少女は夢のような別世界の暮らしをしている少女たち。塗りながらその少女になっていく自分がうれしく胸の高なる時間でした。母の「夕ご飯の支度しておくれ~!」と呼ばれると ちびた色鉛筆をおいてそうめんを茹でたりきゅうりを刻んだりしたものでした。よく働いた小学生だったですね。塗り絵に救われる日々でした。
★応募すると決めてより、ときめく 日々を重ねています。


東京都 彼島 政子様 70代
★小学低学年の頃 仲良しの友達とおしゃべりをしながら好きな色を使いあそんでいました。ぬりえは女の子のあそびの一つの仲間でした。大きくなって鉛筆を正しくもち手首を動かし指先を動かし注意をはらい完成してゆくのは成長してゆくうえに大事なあそびのひとつだったと思ったものです。
★新聞ではじめて目にし、ひさびさにあそび心が起りました。子どもから大人まで(年老いても)想像をふくらませることができ、よいことだと思います。


東京都 山内 理恵子様 60代
★いろいろなぬり絵をいまよいりやってた気がします。いろをぬるのも楽しかったけれど、何より、様々なファッションやきせかえの要素もあって、今ほど簡単に情報が手に入る時代ではなかったので、ファッション雑誌的な価値もあったのだと思います。いつか大人になったら、こんな服を着るのかな、とか、外国人の子供たちはこんなかんじなのかしらんと思ったのを覚えています。母が洋裁をしていたので、洋裁の本に似た服があると盛り上がったのを覚えています。
★ふりそでにベールってざんしんだと思う。それから女の子が大切にされている感じがしますね。


東京都 長澤 清美様 60代
★幼い頃「ぬりえ帳」を購入してもらった記憶があります。
12色入りのクレパスで自分の好きなカラーを使って染めていく楽しさは子供なりに至福の時間を過ごしていたように思います。
★子供の頃の懐かしさに浸ることが出来、同時に両親との楽しい思い出にも浸ることができました。絵の種類2~3種あれば良いなと思いました。


神奈川県 草場 万里子様 70代
★私は幼い頃より、「きいちのぬりえ」が大好きで、静かだと思うと、ぬりえをしていた、と母が申していました。つい先頃までなんと500枚以上も箱に集めて大切にしておりました、が残念ながら紙のいたみが年々ひとくなり、この度の鎌倉への引っ越しで手離してしまいました。
とても残念でした。
★でもまた、この特集をきっかけにぬりえを手に入れて趣味として再び始めたいと思ってワクワクしています。 様々な大人のぬり絵本出ておりますが、私にとって「きいちのぬりえ」は大切な青春の思い出です。ぬりえ美術館と供に、私の大切な今と場所になりました。


まだまだ沢山の感想、ご意見をいただきました。特に今年のコロナ渦の中で“きいちのぬりえ”が皆様方に幼少期やご家族を思い出すきっかけやぬりえをするきっかけになっている事を嬉しく思いました。
1月からは館内展示とホームページでの掲載が始まりますので、是非ともご覧いただきますようお願いいたします。(館)

Posted: Nurie : 20年12月05日 | 美術館だより

12月の美術館便り(1)

ぬりえ美術館では今年で第11回目となります“ぬりえコンテス”を10月に開催いたしました。お蔭様で今回は142人ものご応募をいただきました。厳正なる審査の上、来年1月9日(土)より優秀作品を展示する予定です。今月は応募くださった皆様の中から、コンテストに関するご意見、感想をご紹介したいと思います。


東京都 西 由美子様 60代
★ 横浜に住んでいたころ、熊本から祖母といとこのお姉ちゃんがあそびにきました。おみやげに  東京駅で買ってきたぬりえをもってきてくれました。いとこのお姉ちゃんと一緒にぬりえをしました。 はじめてまわりを線でかこってから最初はうすくぬり始めることをおそわりました。ぬりえをしながら、いろいろ話をして楽しかった思い出があります。
★ なつかしい思い出のぬりえをやれて楽しかったです。今もきいちのぬりえが手にはいるかな?
※「きいちのぬりえ」は小学館が発行しています。ご近所の本屋さんでお問合せください。
もちろんぬりえ美術館でも販売しています。


神奈川県 大沢 悦子様 70代
★ 60年前まだクレヨンがあまり買えなくて4人姉妹で1箱のクレヨンでぬり絵をした思い出があります。あまり紙質もよくありませんでしたが、いろいろ想像してぬりました。今は多種の者があり、色鉛筆とかクレヨン 見ているだけで楽しいです。3月に退職して私も趣味の1つに加えたいと思います。
★ 私達の年代には子供のころの思い出が蘇り 今のコロナの自粛生活いは時間があり、ゆっくり楽しめて良いです。


東京都 梅原 秀子様80代 
★私は戦時中子供時代を過ごし落ち着いて何もできませんでしたが楽しみはぬりえでした。
★この年になって、きいちのぬりえがある、それだけで胸が熱くなりぬってみました。


埼玉県 喜田 いずみ様 60代
★ 新しいぬり絵を買ってもらうとどんな絵が描いてあるのかワクワクしながらひらいたことを思い出します。
★ぬり絵コンテストがあることはとてもうれしく、これから先も出来るかぎり、チャレンジしていこうと燃える思いがあります。


栃木県 山口 滝子様 60代
★子供の頃、大好きなぬりえを時間を忘れたように夢中になって、ていねいにはみ出さない様にと仕上げた事が忘れられない思い出です。
★いつまでも“きいちのぬりえ”の存在が保っていかれるためにも続けて欲しいと心から思います。


東京都 近藤 真理子様 70代
★子供の頃にタイムスリップできました。懐かしく、楽しく過ごせました。女の子にとって、ぬりえは楽しいひと時でした。
★ただ色をつけるだけでなく、自分の生きて来た年数を感じて、色をつける事ができ、思いがけなく良い時間を過ごせました。他の人がどんな色付けするのか楽しみです。


東京都 迫間 雅子様 60代
★子どもの頃お絵描きもすきでしたし、ぬりえをするのも楽しい時間でした。幼稚園にはなじめず、登園をイやがっていた私に母はよくぬりえをかってあげるからいって、きいちのぬりえを買ってくれたのを思い出しました。
★ぬりえ美術館というものがあるのを知り興味をひかれました。久しぶりに“きいち”のぬりえとの再会になつかしさがこみあげてきました。


神奈川県 鎌田 光子様 80代
★ 私の小さい頃は、物もなく色エンピツも洋服も なかなか買ってもらえず ぬりえの中に 夢  をもとめて 私はこの様な色の洋服を着てみたいと想像しながら 本当に楽しみでした。
★ 昔を思い出して “きいち”という言葉が懐かしく思いました。今でもぬりえは大好きです。この企画 思い出させて頂いてうれしく思います。


神奈川県 稲田 瑞穂様 40代
★幼い頃家から少し遠くに住んでいる母の友達の家へ行く時には、日頃は着ないよそゆきのワンピースを着てぬりえときせかえセットをカバンに入れて、出かけていました。 そこには私と同じ年の女の子がいました。日頃一緒に遊んでいないのではじめは少し緊張してぎこちない感じになってしまうのですが、一緒にぬりえをしているうちに打ち解けて仲良くなり、楽しい時間をすごしていたなあということを思い出します。
★今年はコロナでずっと自粛していて、あまり楽しみが無い日々を送っていましたが、ぬりえコンテストの記事を見つけてから、何色で塗ったら可愛いかなと考えたり、入賞なんて無理だろうなあ~と思いつつも、もしかしたら~と思ったり。そんな風に思ったりするだけでもわくわくして少し生活にハリを持つことが出来ました。

Posted: Nurie : 20年12月05日 | 美術館だより

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