東京都荒川区町屋 土日曜のみ開館
開館時間:(3月~10月)12:00~18:00 (11月~2月)11:00~17:00

ぬりえ美術館

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2019年8月25日の記事

Gezさんの「おみかんおいしいわ」

おみかんがとてもおいしそうに表現されています。セーター、スカート、座布団、勉強机も陰影が使われ、深みが増しています。(館)

Posted: Nurie : 19年08月25日 | ぬりえギャラリー

みきこさんの「すいかがとれた」

すいかの立体感と帽子の陰影が良いです。赤い小さい頬の色も可愛いです。(館)

Posted: Nurie : 19年08月25日 | ぬりえギャラリー

無記名さんの「ひまわりのひがさ」

難しい柄を丁寧に塗りわけています。日傘のひまわりの絵も丁寧に塗られています。(館)

Posted: Nurie : 19年08月25日 | ぬりえギャラリー

Amidaさんの「すごろく」

強い色合いですが、上手く縁取りに使われた黄色が纏めています。すごろくの名前の緑が強く印象に残ります。(館)

Posted: Nurie : 19年08月25日 | ぬりえギャラリー

かの子さんの「かいひろい」

赤に黄色の水玉のワンピースが爽やかです。「かいひろい」の名前の部分の塗り方も面白いです。(館)

Posted: Nurie : 19年08月25日 | ぬりえギャラリー

無記名さんの「おさいほう」

ブルーが目元、着物の襦袢などにアクセントになっています。明るい、元気な色合いが素敵です。(館)

Posted: Nurie : 19年08月25日 | ぬりえギャラリー

さとるさんの「かいひろい」

ピンクを帽子に使ったのは、今までにない色遣いだと思いました。(館)

Posted: Nurie : 19年08月25日 | ぬりえギャラリー

2019年8月 3日の記事

9月の臨時休館のご案内

9月21日(土)と22日(日)は、都合により休館とさせていただきます。何卒ご了承のほど、宜しくお願いいたします。

Posted: Nurie : 19年08月03日 | トピックス

8月の美術館ニュース(2)

きいち千夜一夜 No.8 

今年はきいちの生誕105年に当たります。
これにちなみまして、「きいち千夜一夜」と題しまして、きいちについてご紹介したいと思います。


「きせかえは私自身が復活させたかった。当時、ぬりえと違ってきせかえは下火でしたからね。実際の人形遊びも楽しいけれど、紙の世界にも昔からこんな遊びがあるんだと、子供たちに知ってほしかった」

きせかえについては、B4程度の大きさのものを石川松声堂と山海堂、それぞれに毎月四枚ずつ納めた。ぬりえはジンク版という金属の板に特殊な墨を遣って絵を描くまでが喜一の仕事。描いた部分が腐食するので、それを印刷するのだ。五色刷りの袋の場合は、喜一が加味に五色で描いたものを、職人がそれぞれの色に描き分けてからから印刷するが、いずれにしろぬりえはそれほど喜一の手をわずらわせるものではなかった。

しかし、きせかえとなるとそうはいかない。人物や洋服の型をおこして、一つ一つ紙の上に置いては寸法を取っていく非常に手間のかかる作業だ。できるだけ余白を少なくして、さまざまな要求を盛り込むことも大切で、喜一のきせかえにはお洒落な洋服や着物に混じって、ブーケや帽子、ハンドバッグ、人形といった多くの小物が添えられていた。


「私の描くのは女の子だけじゃなかったでしょ。お父さん、お母さん、お兄さんやお姉さんといった家族もちゃんといてね。そういうものを描き入れるときには、一応家族構成なども考えながら描いていたの。リカちゃんファミリーならぬ、きいちファミリー。
それからきせかえを描いていておもしろかったのはバッグの色なんですが、オレンジや黄緑などの中間色を使うと余りうれゆきがよくなくてね。

*参考図書「わたしのきいち」小学館


今月のエントランス

「おゆうぎ」
年代:30年代
作者:きいち

新調したお洒落なワンピースに、頭には大きなリボンをつけて、覚えたダンスを可愛らしく踊ります。お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんも見にきていますよ。


ぬりえ美術館メディア情報
○BSフジ「からだ研究所」にて、ぬりえ美術館が紹介されます。


展示室のご案内
○8月~10月は秋の企画展を開催しています。
昭和10年代のぬりえや30年代の俳優さんなどの珍しいぬりえやきせかえを展示しています。
○館内にはぬりえ体験コーナーがあり、自由にぬりえを塗って楽しんでいただけます。

Posted: Nurie : 19年08月03日 | 美術館ニュース

8月の美術館ニュース(1)

夏休みをいかがお過ごしですか。8月の暑い日には、涼しい場所で過ごしたいものですね。ご自分の家の周りに、快適に過ごせる場所があるといいですね。ぬりえ美術館の中庭は小さいですが、アジュガやアマビリスなど緑が一杯ですよ!

 
ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。
   


タイトル:かわいいことりさん
作  者:きいち
年  代:昭和30年代


8月のエントランスは、「楽しいお遊戯」をテーマにしたぬりえを展示しています。
幼稚園や小学校の学芸会などでお遊戯をしたことを楽しかった思い出として、思い出すことはありませんか。
幼稚園児のまだ小さい子どもでも、練習をすれば全員でいっしょにお遊戯ができるようになるものだと、感心をいたします。

幼稚園のクリスマスの時期、園内でクリスマス会が開催されることになり、“ジングルベル”をゆう子ちゃんと二人で踊ることになりました。園内で他の園児が庭で遊んでいるとき、先生から「さあ、練習をしますよ」と声をかけられて、室内にもどり練習をしたことを思い出します。写真屋さんがとったセピア色の写真が残っていますから、たぶん上手にできたのでしょう。


昭和の時代には童謡が盛んに歌われ人気でした。川田正子さん、孝子さん、美智子さんらの川田三姉妹、安田祥子さん、章子さんら安田姉妹、松島トコ子さん、小鳩くるみさん等など、多くの童謡歌手がいらして、ラジオ、レコード、少女雑誌を賑わしていました。
その当時の童謡には、その歌に合わせて踊りの振り付けが付いていました。私が覚えているのは「可愛い魚屋さん」のレコードですが、確か踊りがついていたと思います。
 

今では歌といえば、必ずダンスが付き物で、キレキレのダンスを踊るのは当たり前の時代になっていますね。(館)

Posted: Nurie : 19年08月03日 | 美術館ニュース

美術館便り 8月~10月合併号

きいち生誕105年
蔦谷喜一の生誕105年をお祝いします。
「麗しのきいちのぬりえ」
2019年8月3日(土)~10月27日(日)

蔦谷喜一の生誕105年を祝いまして、秋の企画展「麗しのきいちのぬりえ」~令和の
時代もきいちのぬりえ~と題しまして、昭和10年代のフジヲ時代のぬりえやきせかえ等を
ご紹介いたします。
 
ぬりえというものは、不思議なもので、小さい頃には夢中になってしていたものですが、いつしか大きくなるにつれて忘れられてしまうもののような気がします。それが、大人になって、何十年も前のことなのに、「ぬりえ」という言葉を聞いたり、見たりしたときに、突然昔に戻り、そういえば時間も忘れて塗っていたことがあった、と思い出すものなのだと思います。

きいちは「ぬりえは、子どもの心を育む遊び」と言っています。子どもにとって大切な「こころの宝物」を昭和、平成そして令和の時代にも残して、日本の文化の一つとして、きいちのぬりえを伝へ、ぬりえ文化として残していきたいと願っています。
今後ともきいちのぬりえにご支援を賜りますよう宜しくお願いいたします。


1.秋の企画展
秋の企画展では、戦前にきいちがアルバイトとしてぬりえを描いていた時代、フジヲのサイン名のぬりえときせかえをご紹介いたします。


1)フジヲ時代
喜一とぬりえの出会いはある日突然やってきた。昭和十五年、喜一が二十六の時だ。
「川端時代の友人で、画学校を途中でやめて家業の製本屋を継いだ男がいたんですけど、
彼がひょっこりやって来て、いきなり言うんです。“ぬりえの仕事を持って来てやったよ。
こんな仕事は、僕はばかばかしくてできないけど、君ならちょうといいと思ってさ“・・・」

この話を貰った時の喜一の心境は正直いって複雑だった。仕事の内容は詳しくはわからないが、いつか夜店で見た裸電球にてらされてすすけたような、あれを描くと思うとなんだか滅入ってくる。しかし、商売のセンスもなく、絵で食べていけるかもわからない不安な将来を思うと贅沢は言っていられなかった。」
「でも、描いてみると意外に楽しい。社長も私の絵を気に入ってくれて、何度か注文がきたんです。私は姉や妹とよく、歌舞伎を見に行っていたので、歌舞伎をテーマにぬりえをおこしてみたんですが、その華やかな感じがよかったんでしょう。最初は“きいちのぬりえ”でなく、“フジヲ”を名乗りました。夏目漱石の「虞美人草」に出てくる藤尾が好きだったので、そこからとってね。」
*参考図書:わたしのきいち 小学館


昭和10年代のぬりえはいくつかのタイプに分けることができます。
1-1日本画の画法を生かした作品
   
まずこれらのぬりえを見ると、これがぬりえだろうか、と驚かされます。これほど細かい絵に彩色したのだろうか、と思いますが、寄贈された当時のぬりえを見ますと、色が塗られていますので、当時の女の子たちは、“ぬりえはこういうもの”として当たりまえに塗っていたようです。

この詳細に描かれたぬりえは、きいちの日本画のテクニックが充分に生かされ、きいちの好きな歌舞伎の世界や日本の物語を描いています。今回はきいちのテクニックを見ていただきたいと思います。
「お三輪」の髪についている手絡(てがら:女子の髷の根もとにかける色模様の布地)に描かれた絞りの模様の描き方や「横笛」の着物に描かれた点描の暈し模様等など、ぬりえだからこそ線画で、より細かくテクニックを見れると思います。


1-2 モダンなぬりえ
「オクワシノオウチ」

近未来的な、面白いテーマのぬりえではありませんか。
食パンのホテルの建物に、クッキーの扉、ホテルの看板の字もアイシングしたクッキーでしょうか。玄関前の花の台も三層になったケーキのようです。夢のようなテーマで大好きなぬりえです。
「オクワシノオウチ」のほかにも、「タンポポノコドモタチ」やおままごとの子どもたちの絵もモダンなぬりえだと思います。


1-3 一般的なぬりえ
女の子の日常を描いているぬりえにはオカッパ頭やクルクル渦をまいたパーマヘアなど、
昭和20年代に続くようなぬりえが見られます。髪にはリボンが描かれていますが、まだまだ小さいリボンが多いようです。


2)きせかえ
   
「きせかえは私自身が復活させたかった。当時、ぬりえと違ってきせかえは下火でしたからね。実際の人形遊びも楽しいけれど、紙の世界にも昔からこんな遊びがあるんだと、子供たちに知ってほしかった」

きせかえについては、B4程度の大きさのものを石川松声堂と山海堂、それぞれに毎月四枚ずつ納めた。きせかえは人物や洋服の型をおこして、一つ一つ紙の上に置いては寸法を取っていく非常に手間のかかる作業だ。できるだけ余白を少なくして、さまざまな要求を盛り込むことも大切で、喜一のきせかえにはお洒落な洋服や着物に混じって、ブーケや帽子、ハンドバッグ、人形といった多くの小物が添えられていた。


きいちのきせかえの大きな特徴のひとつに両親や姉妹など、家族の存在が挙げられる。家族構成については、たとえば父親が会社員で母親が専業主婦といった一般的な家庭の他、「芸術家ファミリー」、「商売を営む家」「茶道の家元」といった具合に作成の辞典で想定された、それにあわせて洋服や家具などが描かれた。
* 参考図書:わたしのきいち 小学館


今回も家具が描かれたきせかえを展示していますが、タンス、鏡台、蓄音機、ソファ等、自分の身の回りには見られないような家具なども描かれ、ぬりえと同様にそれらの家具を組み立てながら、自分の家にこのようなものがあればいいな、と思いながらきせかえで遊んでいたことでしょう。


2.きいちの言葉
春の企画展につづき、今回も同じきいちの言葉をお伝えしたいと思います。

「持っているだけで楽しい絵」
私は、もっと、心のこもった絵を、小さい子どもたちに見せたかった。一所懸命描いてはいたが、やはり商業ベースだから数をこなさなければ、というところもある。
私は、いい絵が描きたかった。色をぬるためというのは、二の次でよいと思った。色をぬってもぬらなくても、持っているだけで楽しい、という絵を描きたかった。いやな絵を買って、色をぬってもしかたがない。子どもたちが、好きになった絵を選んで、楽しんで、色をつけたいこどもは色をつければよい、と思った。「草思社 きいちのぬりえ」

「美しい絵を描きたかった」
ぬりえは子どもの創造性を阻害すると、悪者視されるのを聞いたりすると、私はふるい立った。ぬりえは、絵画の教育ではない。教育とは無縁のもので、あくまで子どもの遊びである。幼い子どもの情緒を養う、心の遊びだと主張したりした。
もし、私が「ぬるための絵」とだけ考えて絵を描いていたら、もっと違った、教育的なものを描いたと思う。しかし、私は美しい絵を描きたいから描いてきたのだった。美しい大人なり、子どもなりの絵を描きたかったのである。「草思社 きいちのぬりえ」


きいちはぬりえに対して、上述のような気持ち、思いをもって描いていました。
これらの思いを元に生まれたきいちのぬりえは、当時の女の子たちの心を捉えて止みませんでした。


今年の五月には新しい年号が制定され、新しい時代が始まりました。昭和の時代から時間は経っても、可愛いきいちのぬりえの女の子たちは忘れ去られること無く、新しい時代にも永遠に生き続けることでしょう。きいちのこれらの言葉と共に。
これからもきいちのぬりえを楽しんでいただければ、幸いです。(館)

Posted: Nurie : 19年08月03日 | 美術館だより

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