東京都荒川区町屋 土日曜のみ開館
開館時間:(3月~10月)12:00~18:00 (11月~2月)11:00~17:00

ぬりえ美術館

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2012年6月22日の記事

ラジオ放送のご案内

6月30日(土)NHKラジオ第一 『土曜あさいちばん』の中の、「土曜カルチャー」のコーナーでデコぬりえ®の制作等が紹介されます。放送予定時間は、午前7時45分前後から7分位の予定です。

Posted: Nurie : 12年06月22日 | トピックス

2012年6月10日の記事

5月のぬりえサロンは、「ばらのふく」

いい気候になりました。本日19日はあらかわバラ市も開催されています。ぬりえサロンもバラにちなみまして、「ばらのふく」のデコぬりえ®をいたしました。
そして、今月はまたまた新しいテクニックを使ってのデコぬりえ®をいたしましたので、作品をご覧ください。

今月は先生を含めて8名で、お断りする人がでる程盛況でした。

yun先生の作品

今回は、背景を塗ったり、描くのではなく、きれいな紙を台紙に選んで、その上にぬりえをした少女を貼っていきました。さらにyun先生の作品は、台紙より高めに少女を貼っていますので、さらに陰影がついて、素敵な仕上がりになっています。

富塚さんの作品

黒と緑でまとめられた富塚さんの作品。大人っぽいお洒落な作品です。
服、帽子、靴とすべて上手にコーディネートされています。

ひさよさんの作品

緑色のドレスにお花が沢山飛んでいます。帽子についたバラの花をめがけて、蝶々が三匹飛んでいます。スゴイですね。赤い花のレースの使い方が上手です。タイトルときいちのサインのしたにも豪華なレースがついています。

斉藤さんの作品

今回初めて造花のお花を準備していましたが、そのお花を帽子に飾っています。ドレスの胸元のレース、緑のドレスにもバラ柄のお花をつけてラテン系の少女になっています。背景にもレースを額縁のように使ってお洒落です。

鈴木さんの作品

初めてデコぬりえ®に挑戦の方です。背景の紫のレース使いが素敵です。レースやスパンコールの重ね使いも大変丁寧で、可愛らしいばらの服になりました。

大島さんのお母様の作品

大島様も初めての方です。
黄色の背景にピンクのドレスがよく映えています。帽子の花飾りやドレスのお花が少女を引き立ています。

大島様のお嬢様の作品

初回の方ですが、大胆な色使いが素敵です。帽子とタイトル部分に貼っている蝶々の飾りは宙に浮いているところが凄いテクニックです。

吉田さんの作品

初回の方です。薄緑と紫で纏められたドレス。レースがフワフワで素敵です。オレンジのお花が可愛いアクセントになっています。

館長の作品

ピンクのバラの背景を選び、ドレスは紫と水色のグラデーションで、スカイツリー色になってしまいました。ドレスに2つついているバラは、造花のお花をつけてみました。
靴にもキラキラを貼り、靴下は銀のラメで輝いています。ドレスの裾部分の紫と帽子のラベンダーがうまくマッチしています。

毎回新テクニックが開発されているデコぬりえ®。これからも進化をつづけます。
ぜひデコぬりえ®を制作しにいらしてください。

Posted: Nurie : 12年06月10日 | 大人のぬりえサロン

鈴子さんと奈々子さんの「うすいきれいなベール」

お母様とお嬢様の合作の”はなよめさん”です。薄いベールの透明感が上手く表現されています。黄色の髪飾りとピンクの花束がブルーとベールとドレスの素敵なアクセントのなっています。(館)

Posted: Nurie : 12年06月10日 | ぬりえギャラリー

2012年6月 9日の記事

6月の美術館便り

5月は社会的なビッグイベントが続きました。
まず21日の金環日蝕がありました。これを日本の多くの土地で見ることができました。その現象は、173年ぶりの出来事とか。 子どもの頃に、下敷きに蝋燭のススか何かをつけて、小学校の校庭から皆でみた覚えがありますが、それは金環日蝕ではなく、部分日蝕かなにかだったのでしょう。時代は変わり、天体ショー用の専用グラスなどのグッズが販売され、それがないと目を傷めるということも事前の解説で紹介されていました。
グラスを購入しなかったので、太陽の一部がかけ始めてときに、ちらっと太陽をみて、そのまぶしさに、金環日蝕はテレビで見ることになってしまいました。でも、各地で歓声があがっていましたが、その不思議さに感動の声を上げるのも無理ないことだと思いました。

続く22日には、生憎の雨の中をスカイツリーのオープンがありました。美術館の建物の2階、3階部分からもツリーを見ることができますし、建設中のツリーを見学にも行きましたので、この騒ぎの中での見学は無理と諦めムード。曇りの日は、下からツリーを見上げるにも、雲の中ということがありましたので、雨の日のオープンでは、何もみることができなかったろうと残念に思いました。開館から5日で、100万人を突破したそうですが、地下鉄半蔵門線の中でスカイツリーの買い物袋をもっている人々を大勢見かけましたので、人気のほどを実感します。天気の良い日に、東京ソラマチに行ってみたいと思います。

5月23日、2020年に開催のオリンピックの候補地にむけ、日本の東京がトルコのイスタンブール、スペインのマドリードと共に選ばれました。最終決定は、2013年9月に開催地が決まりますが、いずれの国の開催も見てみたいなという気持ちで一杯です。

ぬりえ美術館のビッグニュースといいますと、「大人のぬりえサロン」が大変人気となっているということです。ぬりえサロンでは、昨年の6月から「デコぬりえ®」というものをしているのですが、このデコぬりえ®のことをNHK Eテレの団塊スタイルやテレビ東京の"「Mプラス」で放映された影響かとおもいますが、ぬりえサロンのお申し込みがとみに増えてきました。 お申し込みの理由をお聞きしますと、「デコぬりえ®」という回答が帰ってきますので、間違いなくデコぬりえ®が人気故のサロン人気となっているようです。
 
デコぬりえ®は立体的な作品の仕上がりと制作しているときのキラキラ、フワフワの素材のときめき感と集中力による気持ち良さが魅力です。作品も素敵な装飾になりますので、是非、皆様も一度「大人のぬりえサロン」でデコぬりえ®に挑戦してみてはいかがでしょうか。(館)

Posted: Nurie : 12年06月09日 | 美術館だより

『海外ぬりえ』研究室No.6 スコットランド

今月はスコットランドのぬりえをご紹介いたします。

スコットランドと聞いてすぐに頭に浮かぶものといいますとスコッチウィスキーとネス湖のネッシーというと余りに単純すぎますが、そのネッシーが表紙になったスコットランドのぬりえとぬりえをしながら学ぶことができる本です。

残念ながらネッシーは、表紙だけでなかにぬりえはありませんでした。内容はスコットランドの様子がわかる様々な景色やスコットランドのタータンチェック等のぬりえが左ページにあり、右ページにはクロスワードパズルや番号をつづけて絵を浮かび上がらせるもの、スコットランドの動物のクイズなどで構成されています。
    
日本の場合は、ぬりえ本といいますとぬりえだけで構成されたものがほとんどですが、海外のぬりえは一般にぬりえだけのものと今回の本のタイトルにあるように「ファンブック」(楽しみの本)とか「アクティビティーブック」という名前で、子どもの成長に役立つ作業や工作をさせながら学ぶことができる本がいろいろ販売されています。

欧米の方々は、日本と比較すると不器用といわれています。そのために欧米では様々なキッチン用具がいろいろ開発されているのだとおもいます。
日本やアジアの人たちの器用さは、お箸を使うことが役に立っているのではないかとアジアの国を調査して感じています。

海外では、子どもたちのために、工作などに工夫を凝らした、「アクティビティーブック」が考案されて、楽しみながら手先を養っているものと思われます。
本だけでなく、本にビーズや糸などのキットがついているアクティビティーブックなどもあります。
少女なら、昔私たちがリリアンに夢中になったようにそれらの本とキットを使って、ビーズのブレスレットを作ったり、編み物をしたりするのではないでしょうか。日本でもアクティビティーブックが楽しめるようになるといいですね。(館)

Posted: Nurie : 12年06月09日 | 海外ぬりえ研究室

5月の美術館ニュース(2)

今月のエントランス

『おきゃくさまにおしょくじを』
作者:きいち
年代:昭和20年代

お膳は、座卓やテーブルがない時代には、畳で食事をするのに欠かせない道具でした。流行のテーブルウェアは、文字どおりテーブルの上を彩る食器類で、おもてなしを演出することを指しますが、お膳もまた、ぬりえのような女の子によって運ばれてくるテーブルウェアの一つだったのではないでしょうか。

5月19日(土)あわからバラの市開催
バラの市を盛り上げるために、盛り上げ隊として、ぬりえ美術館もご協力しています。
5月12日(土)~6月3日(日)の期間、“バラのモチーフ”を身につけてご来館のお客様には、入館料を50円割引いたします。
バラ柄の服、バッグ、バラのブローチ、コサージュ、髪飾りなど、バラのモチーフなら何でも結構です。
あらかわのバラ市を楽しみながら、ぬりえ美術館にご来館ください。

ぬりえ美術館メディア情報
京成電鉄の情報誌『京成らいん』5月号で紹介されました。

【展示室のご案内】
3月~5月まで、館内の展示は10周年記念企画展を開催しています。
色鮮やかなぬりえやきせかえの原画をご紹介いたします。
懐かしいぬりえを観て、塗って、ぬりえの世界を体感してください。

Posted: Nurie : 12年06月09日 | 美術館ニュース

6月の美術館ニュース(1)

5月22日にスカイツリーがオープンいたしました。ぬりえ美術館のある町屋からはバスで 浅草まで20分ほどで行かれ、浅草のいたるところからスカイツリーが見えます。
ぬりえ美術館~浅草~スカイツリーの下町ツアーはいかがでしょうか。

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

タイトル:はりもの
作  者:きいち
年  代:昭和20年代

6月のエントランスは、昭和の暮らしのぬりえを展示しています。
着物の洗い張りをしている少女。タイトルは、「はりもの」となっています。今月は、「はりもの」のほかに「むしぼし」、「しょうじはり」、「つるべいど」、「ぎょうずい」、「こもり」など昭和の暮らしを思い出させるぬりえを展示しています。
昔であれば、どの家でも必ずしていた家事でしたが、戦後60余年がたち、すっかり最近では見かけなくなった家事の様子がぬりえの中に残されています。

最近私はお掃除ロボットの「ルンバ」を購入したのですが、スウィッチを押すだけでクルクルと動いて、台所で朝食を準備する間に、お部屋を掃除してくれますので、大変助かっています。
 昭和20年代~30年代、子どもの頃に祖母の家事仕事を見ていて、女性の仕事は大変だなあと思っていました。子ども心に「きっと便利な物が出てきて、家事を楽にしてくれる」と確信していました。その後、洗濯機、掃除機、炊飯器がでてきて、家事が急速に楽になりました。そして、ついには、自分で掃除をしなくても、機械がしてくれるようになりました。
 日本は急速に高齢化が進み、世界で高齢化率ナンバーワンの国となり、昭和22年生まれの団塊世代が今年65歳になり、「高齢者」と呼ばれるようになりました。これらの高齢者のために
きっと「介護ロボット」や高齢者の身体の動きを助ける「機能ロボット」などが開発されてくるのではないかと考えています。家事が楽になったように、身体の不自由になった方々のために、
ロボットがお役にたつ時代が来るのではないでしょうか。(館)

Posted: Nurie : 12年06月09日 | 美術館ニュース

6月の美術館ニュース(2)

今月のエントランス

タイトル: 『おねえさんの三めんきょう』
年代:昭和30年代 作者:きいち
昭和の時代、三面鏡は、桐ダンスと並んで嫁入り道具の一つに数えられた大人の女性だけのものでした。
ぬりえの女の子は、リボンを付けた自分の姿を確認したくて覗きに来たようです。ちょっとはにかんだ表情は、背伸びの表れでしょうか。鏡の前の空間を憧れの場所として、特別視していた当時のことを教えてくれる一枚です。

ぬりえ美術館メディア情報
①朝日新聞夕刊「美博なう」 に掲載されました。
②NHK Eテレ団塊スタイルで ぬりえが紹介されます。 (6/29 アンコール放送)

【展示室のご案内】
6月~7月まで、館内の展示は常設展示となります。
ぬりえが体験できるぬりえコーナーもございます。懐かしいぬりえを観て、塗ってぬりえの世界を体感してください。

Posted: Nurie : 12年06月09日 | 美術館ニュース

『海外ぬりえ』研究室No.5 ロシア

今月はロシアのぬりえをご紹介いたします。

ロシアにはエルミタージュ美術館にすばらしい収蔵品があるということは、非常に有名なことと思いますが、ロシア美術についてはあまり知られていないと思うのは、私だけでしょうか。
ロシアには2007年の5月に行き、ぬりえの取材をいたしました。その際に本屋さん、スーパーマーケットなどを訪れ、ぬりえを購入してきました。
ロシアの本屋さんでは、大変感激いたしました。ロシアの人は本好きだということが分かりました。探している本を読めるように、椅子やテーブルが店内に置かれています。日本と大きく違うと思った点は、展示の方法です。本棚に背表紙をみせて並べるのではなく、単行本も絵本なども表紙を表にして、展示されていることでした。そのために、どんな本かとてもよく伝わってきました。
とくに絵本では、ロシアの絵の力や美的センスが大変高いことが分かりました。どの本も絵が素敵なので、皆買ってきたいほどでしたが、本類は大変重いので、全て購入するわけにもいかず、大変残念な思いをしました。
ぬりえ本のコーナーも同様で、ぬりえ本の表紙を前面にだして、展示をしていました。
ぬりえ本を購入する際は、できるだけその国らしい絵のぬりえ本を選ぶようにしています。
   
今月のぬりえ本は、背景にある建物や人物の服、食器などがとてもロシアらしいと思います。
ロシアの子ども達もこの美しいお姫様や恐竜の絵に胸をときめかせてぬりえをしていることでしょう。

そのほかにロシアのぬりえ本を見ていますと、1950年代を感じさせるクラシックな絵のぬりえ本も購入しました。クラシックな絵がきいちに通じるノスタルジーを感じたからです。
又年齢の低い子ども達には、鳥や魚やいちご等、一つのぬりえが大きく描かれていて、単純で塗り易いぬりえが販売されています。
長靴を履いた猫や眠れる森の美女などの物語のぬりえ、もちろんディズニーのぬりえも沢山販売されていて、幼稚園でも子どもたちは喜んでディズニーのぬりえを塗っていました。

ぬりえではありませんが、すばらしい絵本の絵を一枚紹介したいと思います。
絵本は「雪の女王」です。見ただけでその緻密さ、美しさが理解いただけると思います。
いつか機会がありましたら、ロシアの絵を見ていただきたいとおもいます。

Posted: Nurie : 12年06月09日 | 海外ぬりえ研究室

5月の美術館ニュース(1)

緑、みどり、ミドリ!!
草樹の新緑が目にまぶしい輝きの季節となりました。GWのお休みにお気に入りの緑を探しに、お出かけになりませんか?

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。

タイトル:おかしわもち
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
寄  贈:福井 紅子氏

5月のエントランスは、食べ物のぬりえを展示しています。

四季に恵まれた日本では、お菓子も季節、季節にあわせた美しいお菓子や行事、神事に由来するお菓子などがあり、日本に生まれた幸せを感じることができます。
春になれば、おひな様をたのしむ雛菓子があり、桜を代表とするさくら餅、花見団子、よもぎの草餅、おはぎ、わらびもちなど、毎月のように季節のお菓子を楽しむことができます。

五月になれば、柏の葉にくるんだ柏餅を食べずに過ごすことはできません。柏餅は、5月5日の端午の節句の供物とされますが、柏の葉は新芽が育つまでは古い葉が落ちないことから、「子孫繁栄(家系が途切れない)」という縁起をかついだものとされています。柏餅が登場したのは徳川九代将軍家重~十代将軍家治のころといわれ、参勤交代で江戸から全国に行き渡ったといわれています。  
また四国地方などの近畿圏以西では、端午の節句には「ちまき」を食べるそうです。童謡の
「せいくらべ」の中に「ちまき」が出ていますので、思い出される方もいらっしゃるでしょう。
地域により違いがあることも面白いものですが、最近は情報が行き渡って、ちまきや柏餅をどこでも食べられるようになりました。
例えば関西で節分に食べるとされている恵方巻きが、商戦にのって関東にも広まり、さらにはのり巻きだけでなく恵方巻き仕様のお菓子まで誕生しています。
柏餅の餡は、こし餡、つぶし餡、味噌餡があり、お好みで選ぶことができます。皆様はどの餡の柏餅がお好きでしょうか。(館)

Posted: Nurie : 12年06月09日 | 美術館ニュース

6月・7月のぬりえサロンのご案内

ぬりえサロンのデコぬりえ®が大変人気です。6月は、満席になりました。(6/9現在)7月のぬりえサロンにつきましても、残り2名です。ご希望の方はお早めにご連絡をお願いいたします。

Posted: Nurie : 12年06月09日 | トピックス

NHK Eテレ「団塊スタイル」アンコール放送のご案内

4月に放映されました「団塊スタイル」第二回が、アンコール放送されることになりました。「昭和レトロなう」では、「ぬりえ」の今昔が紹介されています。
日時:6月29日(金)夜8:00~8:45、再放送:7月6日(金)11:00~11:45

Posted: Nurie : 12年06月09日 | トピックス

3月~5月お美術館便り(合併号)

ぬりえ美術館10周年記念企画
「きいちのぬりえ・きせかえ原画展~鮮やかな色が、今よみがえる~」
24年3月3日(土)~5月27日(日)

ぬりえ美術館では、今年8月に10周年を迎えます。これも偏に皆様方のご支援の賜物と心より御礼申し上げます。これからも皆様方が楽しんでいただける企画をご紹介していきたいとおもっております。

今回10周年を記念して、当館初のぬりえときせかえの原画をご紹介いたします。
きいちのぬりえは昭和22年の開始当時は、原画を描いてそれを印刷していたようですが、その後の印刷技術により、亜鉛版(ジンク版)に直接描くようになりましたので、ぬりえには原画がなくなりました。今回展示いたしますのは、そのぬりえが入っていた袋の表紙絵になります。又きいちのきせかえは、昭和23年から描かれています。今回展示いたします原画は、昭和30年代のものになりますが、今みてもきいちの特徴のひとつである原色が大変鮮やかで、生き生きとした躍動感が伝わる作品ばかりでございます。

1.きいちのぬりえ原画

きいちは毎月2つの版元(今でいうメーカー)に各4袋、合計8袋のぬりえを描いていました。
一袋に10枚、12枚などありますが、紙の取り都合が一番よかったことから8枚入りが長い間続いたようです。そして昭和30年代後半には、5枚入りになっていきます。袋の表紙絵を、きいちは一枚、一枚丁寧に色を塗って完成させています。
「喜一さんの絵はていねいですよね。他の絵描きさんは、絵の具をかいあわせて、ちょっとぬって、「ここがピンク」とか指定してくるだけなの。喜一さんは全部塗って、仕上げてくれるのよ。細かい所までね。」と版元の女将さんが書いています。(草思社「きいちのぬりえ」)

この絵を見たとき、私の好きな速水御舟の「炎舞」を彷彿させる絵だと思いました。日本画の山川秀峰に影響されて日本画を勉強しはじめたきいちにとって、大正14年(1925)に描かれた速水御舟の「炎舞」を見ていても不思議ではなく、ぬりえと炎舞がコラボレーションしている表紙絵と言っていいかもしれません。
2.子どもの遊びがテーマの表紙絵
   
ボウリング、スクーターなど当時の流行の遊びから近所の公園にあるブランコまで、その時の話題に合わせて、自在に絵を描いています。
ボウリングは、古くは1861年(文久元年) 長崎の大浦居留地に初めてのボウリング場がオープンしたと書かれています。その後昭和27年(1952)、日本で始めての本格民間ボウリング場 「東京ボウリングセンター」が、東京・青山に開業し、昭和30年(1955)、現在の全日本ボウリング協会の前身「日本ボウリング連盟」設立されたという歴史がありますので、ボウリング場の開設を見て、子ども向けのボウリングのオモチャが開発されたと思われます。輪投げと一緒に遊ぶ様子が描かれています。
スクーターは、私は見た覚えがないのですが、一緒に描かれているぬいぐるみの形状は昭和30年代のぬいぐるみ、そのものですので、やはり当時に流行していたもとの思われます。私はスクーターよりも、ホッピングという遊び道具を買ってもらい、ジーンズのつなぎを着ながら、跳ねていたのを思い出します。

3.お姫様・舞妓さんのぬりえ
   
きいちの人気のぬりえにお姫様、花嫁さん、舞妓さんがあります。
昭和20年~30年代、まだまだ素敵な服は出回ってはいませんでした。東京のデパートにはあったかもしれませんが、地方のいわゆる田舎には、無かったであろうそれは素敵なお洋服や着物姿をお姫様、花嫁さん、舞妓さんの姿に表現して、描いてくれていました。
今ではインターネットも普及し、世界中と繋がっていますので、世界中の情報が瞬時に入手可能です。パリで開催される「パリコレクション」がすぐにネットの記事として広まり、新しいファッションの流行を知ることができます。
しかし、昭和20年~30年代には、このぬりえに描かれていたものが全て少女たちの身の回りにあったのではありませんでした。それ故に、遠い映画の世界か外国の世界に存在するものを夢みて、少女たちがぬりえを塗っていたということを理解していただきたいと思います。そのことは可愛そうなことではなく、大変楽しかった時間であったのです。
4.相撲の力士のぬりえ

きいちは映画スターやスポーツ選手など肖像画的なぬりえを残しています。原画では、横綱大鵬と柏戸の原画ぬりえが展示されています。
まるで写真でとったような絵の出来栄えに驚かされます。大鵬にそっくりに完成した絵を見ると、きいちは絵が上手い人なのだと、今更ながらに思ってしまいます。
顔もよく似ていますが、体のてかり具合など、生き生きとした相撲取りの様子を描いています。
昭和36年(1961)の流行語に「巨人、大鵬、卵焼き」という言葉がありました。当時は巨人の長島と王の活躍と、昭和36年に横綱になった大鵬に子どもたちの人気が沸き、子どもの好きなものを挙げたこの言葉が流行語になりました。

5.きせかえ
   
   
きせかえは昭和23年から描かれています。
今回ご紹介しているものは、昭和30年代もものです。
きせかえは、少女を中心にお父さん、お母さん、お兄さん、お姉さん、おじいさん、おばあさんなど、家族を作って遊ぶものです。
紙ですから着せ替えのお人形を立てることはできませんので、きれいなお菓子の箱を使って、お人形を立てたりしたものです。
着せ替えについている洋服や着物も素敵なものが描かれていますが、付属で隙間に描かれている小物が面白いですし、又小物でその当時の時代がわかってしまうということもあります。そんなこともチェックされると楽しいと思います。
きせかえは一人の主人公にいくつもの服を描いていますので、ぬりえより手数がかかると思いますが、きいちは「ガリバーの気分になって」、喜んで着せ替えを描いていました。
原画が描かれた時代から約50年ほどになりますが、今でもその色彩は鮮やかで、生き生きとしています。ぜひこの機会に原画をご覧になって下さい。(館)

Posted: Nurie : 12年06月09日 | 美術館だより

4月の美術館ニュース(2)

海外ぬりえ研究室 NO.4

今月は、イタリアの「仮面」がテーマのぬりえ本をご紹介いたします。
仮面の発祥のベニスでは、15世紀身分の違いで衣服が決まっていたので、カーニバルで身に着ける仮面やマントにより身分の違いを全てをなくすことができたので、貴族や役人、神父や庶民までも仮面を身に付け、身分に関係なくリドット(カジノ)やオペラ座を共に楽しんだのだそうです。
イタリア語ではマスケラと呼ばれ、この本のタイトルもMASCHERE(マスケラ)と名づけられています。その後17世紀から18世紀にはヨーロッパ大陸全土の宮廷でヴェネツィア式仮面舞踏会は人気となったそうです。
ぬりえ本に描かれている仮面の人物は、伝統的にその衣装と性格がきまっており、特徴的なものは下記のようなものですが、子どもの頃からこのようなぬりえをして、それぞれの名前と性格を覚えていくのだと思われます。

①アルレッキーノ 継ぎ合わせた色鮮やかなまだら模様の衣装を着た道化師姿の召使です。額に瘤のある悪魔を表した黒い仮面を着けています。常に貧しく、空腹でいますが、持ち前の機知とユーモアで権力を持つ登場人物たちを笑い者にしていきます。

②ブリゲッラ
緑で縁取られた白いスモックとパンツを着て、金銭欲を強調するオリーブグリーン色の仮面を着けています。世知に長けた策士で、ペテン師でもあります。一方、優れた音楽家でもあり、ギターを携えた姿で表されることもあります。


③プルチネッラ
イタリア南部のナポリ出身の召使で、くちばしのような長い鼻のある仮面を着け、若い雄鶏のような容貌をしています。愚鈍と明敏、臆病と大胆と対立するどちらの性格にもなることが出来ます。哲学的で憂鬱な夢想家でもあります。

海外のぬりえ本の特徴の一つに、色見本のぬりえがついていることが挙げられます。このぬりえ本も左側のぺージに色見本があり、右側をぬりえするようになっています。
パリでぬりえ展を開催した際に、ぬりえを塗ってもらったことがありますが、参加者の一人が、「フランスのぬりえには色見本がついていたので、簡単に塗ることができたが、きいちのぬりえは色見本なしに塗らなくてはいけないので、時間がかかった」と感想を話された方がいました。

今日本では、キャラクターのぬりえ一辺倒ですから、そのキャラクターの色が決まっていますので、自由に好きな色をつけることはできません。色見本のあるぬりえと同じようなことになっています。
昭和20~30年代のぬりえは、塗る人によって同じ絵でも違いがあることから、「十人十色」と言われたものです。想像性の幅もひろがりますので、自由に塗れるぬりえを楽しんでいただきたいと思います。
(参考:仮面の名前とキャラクターは、箱根の森ガラス美術館より)

ぬりえ美術館メディア情報
①京成電鉄「下町日和きっぷ」折込チラシで紹介されました。
②4月13日(金)NHK Eテレ「団塊スタイル」でぬりえが介されます。

今月のエントランス

タイトル: 『えんそく』
年代:昭和20年代 作者:きいち
今であれば、遠足の服装はカジュアルで汚れてもいいような服と思いますが、昭和20~30年代は「遠足もお出かけ」ということで、普段着とは違う服を着せてもらいました。
だから子どもたちは、嬉しそうな顔をして得意げに胸を張って歩いています。
3月~5月まで、館内の展示は10周年記念企画展を開催しています。
色鮮やかなぬりえやきせかえの原画をご紹介いたします。
懐かしいぬりえを観て、塗って、ぬりえの世界を体感してください。

【展示室のご案内】
3月~5月までの展示は、10周年企画展を開催しています。色鮮やかなぬりえやきせかえの原画をご紹介いたします。懐かしいぬりえを観て、塗って、ぬりえの世界を体感してください。

Posted: Nurie : 12年06月09日 | 美術館ニュース

4月の美術館ニュース(1)

今年は春の訪れが少し遅いようですね。桜便りがやっと聞かれるようになりました。
日本人にとって、桜の花は格別にこころを躍らせる花ですね。まだほんの1分咲きの桜の下で お花見をしている人もいたりします。はやく、満開の桜を楽しみたいですね。

ぬりえのこころ -今月の一枚-
館内に入ってスグ目に留まるぬりえは、その時々の季節のものや  テーマを設けて月毎に展示しています。このコーナーでは、月替わりのエントランスのぬりえから1枚を選んでご紹介します。


タイトル:りょこう
作  者:きいち
年  代:昭和30年代
4月のエントランスは、春のおでかけのぬりえを展示しています。
 
今年は春になるのが少し遅いようですが、春という言葉を聞いただけでも、こころ浮き浮きしてきます。春のエネルギーがそうさせるのでしょうか。
春になったら、何をなさりたいでしょうか。やはり一番に挙げられるのは、お花見だと思いますが、そのお花見を地元だけでなく、どこか有名な桜の名所で見たいと
お出かけされる方も多いのではないでしょうか。

ぬりえの少女も、遠足ではなく、家族と一緒にどこかに旅行するのでしょう、素敵な洋服に帽子、そしてトランクを持っています。
裏面の「えんそく」にも書かれていますが、昭和20~30年代は普段着とよそゆき着があり、普段とは違うことをする旅行やえんそくにはよそゆき着、いわゆる良い服を着てでかけたものでした。時には新しい服を買ってもらって、出かけたものでした。

このぬりえは現代のぬりえと同じように、線だけで描かれています。以前は髪の毛は黒く描かれていましたが、髪さえ白い部分を残したままになっています。このように線だけのぬりえになるのは、昭和40年代近くになってからのものです。きいちの特徴である太い足も、細くなっていますね。この頃にはバービー人形やリカちゃん人形などのほっそりとしてお人形が誕生してきた影響で、足も細くなっていったと思われます。またきいちの少女の特徴である、丸い、大きな目がアイラインを引いたような "切れ長の目"になっています。

昭和20年から30年代まで20年にわたり、きいちはぬりえを描いていますので、時代の変化や少女の要望にあわせて、ぬりえの少女も変ってきていることが、このぬりえから見て取れます。(館

Posted: Nurie : 12年06月09日 | 美術館ニュース

館長の作品

ピンクのバラの背景を選び、ドレスは紫と水色のグラデーションで、スカイツリー色になってしまいました。ドレスに2つついているバラは、造花のお花をつけてみました。
靴にもキラキラを貼り、靴下は銀のラメで輝いています。ドレスの裾部分の紫と帽子のラベンダーがうまくマッチしています。

Posted: Nurie : 12年06月09日 | ぬりえサロンギャラリー

富塚さんの作品

黒と緑でまとめられた富塚さんの作品。大人っぽいお洒落な作品です。服、帽子、靴とすべてコーディネートが上手にされています。

Posted: Nurie : 12年06月09日 | ぬりえサロンギャラリー

5月の美術館ニュース(2)

今月のエントランス

『おきゃくさまにおしょくじを』
作者:きいち
年代:昭和20年代

お膳は、座卓やテーブルがない時代には、畳で食事をするのに欠かせない道具でした。流行のテーブルウェアは、文字どおりテーブルの上を彩る食器類で、おもてなしを演出することを指しますが、お膳もまた、ぬりえのような女の子によって運ばれてくるテーブルウェアの一つだったのではないでしょうか。

5月19日(土)あわからバラの市開催
バラの市を盛り上げるために、盛り上げ隊として、ぬりえ美術館もご協力しています。
5月12日(土)~6月3日(日)の期間、“バラのモチーフ”を身につけてご来館のお客様には、入館料を50円割引いたします。
バラ柄の服、バッグ、バラのブローチ、コサージュ、髪飾りなど、バラのモチーフなら何でも結構です。
あらかわのバラ市を楽しみながら、ぬりえ美術館にご来館ください。

ぬりえ美術館メディア情報
京成電鉄の情報誌『京成らいん』5月号で紹介されました。

【展示室のご案内】
3月~5月まで、館内の展示は10周年記念企画展を開催しています。色鮮やかなぬりえやきせかえの原画をご紹介いたします。懐かしいぬりえを観て、塗って、ぬりえの世界を体感してください。

Posted: Nurie : 12年06月09日 | 美術館ニュース

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